2020.12.26.Sat / 2021.02.01 Mon - 2021.03.21.Sun | 県内各所&特設サイト上
AICHI⇆ONLINEロゴ(デザイン:三重野龍)
新型コロナウイルス感染症拡大により、愛知県は、
「AICHI⇆ONLINE」は、「映画」「現代美術」「文学」「漫画」「音楽」といった幅広いジャンルで展開されるオンライン・アートプロジェクト。2021年2月より特設ホームページにて計9作品が発表・公開される予定だ。(※LIVERARY企画の撮影イベントは12月26日(土)に開催!)
以下、9作品の企画参加者と内容を紹介する。
A.
短編映画『タイトル未定』
監督:山下敦弘
『リアリズムの宿』2003 年 ©ビターズ・エンド、バップ
愛知県半田市出身の映画監督・山下敦弘による短編映画を製作するプロジェクト。制作した短編映画はウェブサイトを通じて公開し、さらに愛知県内の映画館あるいは文化施設にて上映会を行う。
B.
ライブ&アーカイブ・プロジェクト
「LIVERARY LIVE RALLY “Extra” -YOUR CITY IS GOOD-」
企画:武部敬俊/LIVERARY
「EXTRA LIVE #1 ~道/未知との遭遇/ So good! ~」2018年 © LIVERARY MAGAZINE
12月26日(土)、名古屋市中区の音楽ホール「ダイヤモンドホール」をはじめとする県内の複数のライブハウス等、カルチャースポットをつなぐ、撮影+イベントプロジェクト 「LIVERARY LIVE RALLY “Extra” -YOUR CITY IS GOOD̶-」が愛知県内各所にて開催される(映像作品の公開は後日)。
同イベントは、今年5月に無観客配信ライブ方式で行われた企画のExtra版となる▼
前回同様、会場にゆかりのあるミュージシャンたちがそれぞれライブを行い、その様子を撮影するイベントとして実施。今回は参加者を募り、「観客」ではなく「撮影スタッフ」として参加可能なスタイルに。さまざまなアングルで切り取られたライブ映像を音楽表現を支える人々の声も織り交ぜながら編集し、映像作品として公開する。出演:STUTS、C.O.S.A、THE ACT WE ACT ほか 映像制作:大石規湖
※参加方法や追加出演者など詳細続報は追ってLIVERARYにて告知予定!
C.
映像プロジェクト「ベイビーシアター『MARIMO』」
企画:劇団うりんこ/うりんこ劇場
うりんこ劇場がもっとも小さな観客に贈る舞台「ベイビーシアター『MARIMO』」撮影:服部義安
名古屋を拠点に活動し、児童向けの作品制作や公演事業で知られる劇団うりんこ/うりんこ劇場。2017年に、劇団員の朝比奈緑と川原美奈子が、脳科学者・神経心理学者・演出家・俳優であるジャッキー・E・チャンと共に創るベイビーミニシアター創作上演の機会を得て『MARIMO』(作:朝比奈緑、演出:ジャッキー・E・チャ ン、主催:日本児童・青少年演劇劇団協同組合)を創作。言葉を介さない表現の世界を子どもたちと一緒に作り上げるこの 『MARIMO』を、愛知県美術館の展示室で実施した様子を撮影・編集し、映像作品として公開する。出演:朝比奈緑+川原美奈子 映像制作:山田晋平 衣装:藤谷香子 楽曲提供:福島一幸 音響:ノノヤママナコ 照明:福井孝子
D.
短歌プロジェクト「ここでのこと」
企画:ON READING
名古屋市・東山公園に拠点を構える書店『ON READING』による短歌のプロジェクト。愛知県にゆかりのある9人の歌人、小坂井大輔、惟任將彥、谷川電話、千種創一、辻聡之、寺井奈緒美、戸田響子、野口あや子、山川藍(五十音順)が県内のさまざまな場所にて作歌し、イラストレーター・宮崎信恵が短歌にイラストを添える。
E.
オンライン・インスタレーション
『A glass of water(仮)』
アーティスト:玉山拓郎
玉山拓郎《Eclipse Dance》2019年 Photo courtesy: Nonaka Hill
色鮮やかな色彩空間に、家具や日用品、自作の立体をコンポジションすることで夢想的なインスタレーションを制作する気鋭のアーティスト・玉山拓郎。本プロジェクトでは、玉山にとって初めてとなるオンラインの特性を生かした作品を制作。現実にはない仮想空間を作り出し構成するオンライン・インスタレーション作品を発表する。VRデザイン:平田尚也
F.
映像プロジェクト『この町に住んでいる絵に会いにいく』
アーティスト:西尾佳織/河村美雪
劇団・鳥公園を主宰する劇作家、演出家の西尾佳織と現代美術作家の河村美雪による、インタビューと映像のプロジェクト。「アートっ て、やってる人以外にはずいぶん遠いものっぽい…」と考えた西尾が、自分の同級生にあたる1985年生まれ、愛知県在住の女性たちに、豊橋市美術博物館の所蔵作品カタログを見ながらインタビューを実施。話題に上がった作品のコレクションされた経緯を調べ、インタビュイーたちと豊橋市美術博物館に実際に作品を見に行く試み。人にとってアートがどういうものであるのかを考える。
G.
サウンドインスタレーション『甕々の声(仮)』
企画:西田雅希 アーティスト・黒川岳
黒川岳《listening to stone》2016年
常滑市で伝統的に生産されてきた大甕と土管。かつての主力製品は、今はその実用的役目を終え、常滑の陶産業の象徴として静かに街なかや資料館に眠っている。本プロジェクトでは、とこなめ陶の森資料館所蔵の甕と土管の一部を、今も戦前の常滑焼装飾タイルのファサードが生きた資料として残る名古屋市内の施設「アートラボあいち」に運び込み、サウンド・インスタレーションとオンラインプロジェクトを展開。甕が果たしてきた役割、そしてその甕の中で鳴り続ける音に彫刻家・黒川岳が向き合い、私たちの意識や身体の中に存在するvoid (空洞)と、普段触れているさまざまな物体との距離、それらを取り巻く空間について再考する。また、現場とオンラインそれぞれに全く違った作品体験を創出する試みとして、展示室内で無観客の音楽イベントを行い、オンライン配信を予定。
H.
アーカイブ・プロジェクト「Archive of Media Art in Aichi(仮)」
企画:明貫紘子
カタログ表紙「第1回名古屋国際ビエンナーレ・ARTECʼ89」編集・発行:中日新聞社、1989年 資料提供:森茂樹、名古屋市美術館
1989年に「世界デザイン博覧会」の一環として開催された「名古屋国際ビエンナーレ・ ARTEC(アーテック)」。以降1997年までに全5回開催されたフェスティバルで、 メディアアートの発展期を支えた。「Archive of Media Art in Aichi(仮)」は、 愛知県美術館、愛知芸術文化センター、 名古屋市美術館などに残るメディアアートに関連する資料をリサーチしてアーカイブするプロジェクトとして、UIデザイナー・プログラマーの林洋介と協働し、ARTECを中心に1980年代から2000年代までの 愛知県内におけるメディアアートの動向が分かる年表と資料をオンライン上で閲覧できるアーカイブを制作する。
I.
読み切り漫画『花をうめる』(原作:新美南吉)
漫画:三浦よし木
漫画家の三浦よし木が、新美南吉記念館でのインタビューやリサーチを経て、愛知県知多郡半田町(現在の半田市)出身の児童文学者である新美南吉の小説「花をうめる」(1939)を原作にした描き下ろし漫画の制作に取り組む。
以上、9作品からなる「AICHI⇆ONLINE」は映像作品、短歌集、漫画、ライブ+撮影イベントと多分野のアーティストが参加する。いずれもお楽しみに!
2021年2月1日(月)〜2021年3月21日(日)
※LIVERARY企画の撮影イベントは2020年12月26日(土)に開催
オンライン・アートプロジェクト
『AICHI⇆ONLINE』
会場:県内各所&特設サイト上
参加プロジェクト:
A.監督:山下敦弘 短編映画 『タイトル未定』
B.企画:武部敬俊/LIVERARY ライブ&アーカイブ・プロジェクト「LIVERARY LIVE RALLY “Extra” —YOUR CITY IS GOOD—」 出演:STUTS、C.O.S.A、THE ACT WE ACT、ほか映像制作:大石規湖
C.企画:劇団うりんこ/うりんこ劇場 映像プロジェクト「ベイビーシアター『MARIMO』」 出演:朝比奈緑+川原美奈子 映像制作:山田晋平 衣装:藤谷香子 楽曲提供:福島一幸 音響:ノノヤママナコ 照明:福井孝子
D.企画:ON READING 短歌プロジェクト「ここでのこと」 短歌:小坂井大輔、惟任將彥、谷川電話、千種創一、辻聡之、寺井奈緒美、戸田響子、野口あや子、山川藍(五十音順) イラスト:宮崎信恵 E.アーティスト:玉山拓郎 オンライン・インスタレーション『A glass of water(仮)』 VRデザイン:平田尚也
F.アーティスト:西尾佳織/河村美雪 映像プロジェクト『この町に住んでいる絵に会いに行く』
G.企画:西田雅希 アーティスト:黒川岳 サウンド・インスタレーション『甕々の声(仮)』
H.企画:明貫紘子 アーカイヴ・プロジェクト「Archive of Media Art in Aichi(仮)」 UIデザイン/プログラム:林洋介
I.漫画:三浦よし木 読み切り漫画 『花をうめる』(原作:新美南吉)
企画・運営:
SAAC[Sustainable Arts Activity Cooperative]
プロデューサー:野田智子(Twelve inc.) メディアプロデューサー:山城大督(Twelve inc.) プロジェクトマネージャー:石川吉典 コミュニケーションディレクター:柴田直美 ウェブディレクター:中本真生(UNGLOBAL STUDIO KYOTO) コーディネーター:小林麻衣子 近藤令子 山口麻里菜 編集・翻訳:池田絵里佳 翻訳(「明日」新美南吉):奥村雄樹 広報:有田泰子 ロゴデザイン:三重野龍 ウェブデザイン:中西要介(STUDIO PT.) 根津小春(STUDIO PT.) ウェブデベロッパー:桐谷典親(FLAM)
主催:
愛知県(⽂化芸術活動緊急⽀援⾦事業/アーティスト等緊急支援事業)
一般・プレスのお問合せ:
愛知県美術館企画業務グループ 〒461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号 電話:052-971-5511(代表)
詳細:特設ウェブサイト:https://aichionline.jp/
Aichi⇄Online
明日はみんなをまっている。
泉のようにわいている。
らんぷのように点ってる。
この言葉は、愛知県半田市生まれの児童文学作家である新美南吉が、1932年の19歳に発表した詩「明日」の一節です。29歳という短い生涯の中で「ごんぎつね」をはじめとする、人間の哀しみの中にある愛や美しさといった普遍性を描いた作品を創作した南吉ですが、その中でもこの詩は「創造」への希望を託しています。
「AICHI⇆ONLINE」は、2021年2月より開催される、映画、現代美術、文学、漫画、音楽、といった幅広いジャンルで展開されるオンライン・アートプロジェクトです。このプロジェクトは、新型コロナウィルスの感染拡大により文化芸術の灯火がついえそうな危機的状況の中で企画されました。
文化芸術の表現者やその制作を支えるさまざまな職能を持つ人々と共に、表現活動を続けていくための後押しとなる9プロジェクトを新たに制作し、ウェブサイトを通じオンライン上で発表します。絶えず流動的なこの禍中で「創造」の灯火を絶やすことなく明日へつないでいくプラットフォーム「AICHI⇆ONLINE」にぜひご期待ください。