村上春樹作家活動40周年を記念し制作されたドキュメンタリー、『ドリーミング村上春樹』がセンチュリーシネマにて11月9日から上映される。
村上春樹の翻訳家のメッテ・ホルムは1995年、『ノルウェイの森』と出会って以来、20年以上村上春樹の作品をデンマーク語に翻訳してきた。村上春樹の作品はこれまで世界50言語以上に翻訳されてきたが、そのほとんどが英語からの翻訳となり、メッテのように日本語から直接翻訳することは珍しかった。映画は2016年、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れ王立図書館でメッテと対談する瞬間と、同時期にメッテが村上春樹のデビュー小説『風の歌を聴け』を翻訳する貴重な姿を追う。村上春樹作家活動40周年に贈る特別なドキュメンタリー。
メッテは『風の歌を聴け』の一文について想いをめぐらせる。現実と空想の世界が重なり合う村上春樹の世界観は翻訳家によって解釈が異なる。メッテは世界中の村上春樹の翻訳家たちと議論を重ね、理解を深めるため日本を訪れる。故郷の芦屋を歩き、小説の舞台となる地を巡る。メッテを追うカメラは、次第に村上春樹の小説に描かれている並行世界(パラレルワールド)を描写する。深夜のデニーズ。バーカウンター。古いレコード。ピンボール。地下鉄。首都高速道路。公園の滑り台。巨大なかえるくん。そして夜空に浮かぶ二つの満月。メッテは独り村上春樹の世界に潜り込んで行く——— 孤独を愛し、“完璧な翻訳”を探求するメッテの姿は、村上春樹が描く幻想的な世界に魅了され、村上春樹に恋する世界中の読者の共感を呼ぶ。
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