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【短期集中連載】
鷲尾友公 a.k.a. わしんとん先生、ワシントンへ行く。
〜アメリカ滞在記Vol.5〜

Text & Photo by Tomoyuki Washio

 

8月2日 火曜日 快晴

9:00 起床

朝から制作。

ほぼ完成させる。

午後から絵を解体し床置きに。裏側に木材を仕込む作業をする。

いよいよ絵を手放す時が近づく。夜深くまでゴソゴソ修正。

明日は大学へ搬入の日。

 


絵を解体。木枠を仕込む作業 絵の修正

 

8月3日 水曜日 快晴

9:00 起床

11:00 clarkと車で出かける。Made in House(韓国料理)で食事

 

13:00 帰宅 絵を運んでくれるTIMがやってくる。アシスタントしてくれていたTIMとは別。
体型もがっちりしておられる。絵を運び出してトラックに乗せて大学へ出発。

14:00 ワシントン大学SCHOOL OF SOCIAL WORK学科に到着
絵を運び入れるだけ。との事で設営は大学側で行う。との事だったが担当のソニアの指示を受けている内に僕とTIMで取り付け作業を行うことに。 途中クラークもやって来て。。
1枚横4フィート縦7フィート×4で 横16フィートの絵を大学の廊下部分に展示。

17時頃まで作業。無事に取り付け作業も終えてCLARKと帰宅。

帰宅途中。今晩シアトルで大谷翔平の試合がある。との事。興味はないわけではないんだけど、疲れてるし、、そうそうに諦める。

20:00 セブンイレブンに行ってみようと散歩に出かけてみたものの、なぜか足腰筋肉痛。シアトルの坂はきつい。途中で断念。。。帰宅。

21:00 「今日は冷たいお蕎麦にしましょう!」と粟津さん。そばを頂く。
絵が搬出されがらんとしたお部屋。広くなった。片付けも明日にしますか。という事で。ゴソゴソして、

27:00 就寝

 


朝になっても加筆。


こちらの広告文化は木製の電柱にタッカーで留める。良い!
 
Made in Houseのランチ、美味しい。 


絵を運んでくれるtim。良い人。


ワシントン大学sクールオブソーシャルワーク学科のソニア。展示作業も彼女のおかげでスムーズに!!


作業を終えて集合写真。


粟津蕎麦。最高。

 

8月4日 木曜日 快晴

8:30 起床。今日は大学でレセプションの日。

9:00 大学へ向けて出発

10:00 レセプションスタート

学部長の挨拶。そして絵の制作の経緯をお話しする。

英語で話す予定だったが。通訳さんもいるし日本語でいいですよ。とのことで対話形式で進めた。ゲストの方からの質問にも答えていく形。

 



IFCA
壁画プロジェクトの背景
文:粟津美穂(IFCA)

 2021年の末に、IFCA米国法人がその年の秋に申請していた国際交流基金の助成金プログラムに採択され、2o22年春に、“COVID-19後の人のつながりの回復:日米の社会的養護の当事者のレジリエンスとアドボカシーのための協働の再出発 というテーマを掲げて3年間のプログラムがスタートした。

 社会の底辺を生きた経験を持つ若者たちのエンパワーメントは、自己表現から始まると信じられている。そのため、IFCAでも団体創立以来、メンバーが自己のストーリーを安全に効果的に語るスキルを学び、大人の伴走者の力をかりながらスピーチ原稿を書き、登壇する機会を与えてきた。ブログやエッセイの執筆、ショート・ビデオの制作など、いくつかの媒体を模索する中で、ユースたちは、いつかビジュアルな表現、それも壁画のように規模の大きな作品を通じたかれらの生き様や力を表現するチャンスを求めた。

 この助成金プログラムは、毎年、日本ユース数名が米国の都市に滞在して視察研修を実施し、米国ユース2名が日本の都市を訪ねIFCA主催のコンフェレンスで基調講演を行う、という企画の上に成り立っている。

 この基本的な渡米・来日というサイクルの中に、日本とアメリカの都市を結ぶ壁画を創るアイデアは、助成金プログラム申請時にすでに提出されていた。そこに壁画を含むさまざまな芸術表現に取り組んできたアーティストの鷲尾友公氏にプログラム参加を依頼した。それが、このプロジェクトの経緯である。

IFCA (International Foster Care Alliance) はシアトルと東京に本部を置く非営利団体で、日米で社会的養護の当事者のチームを結成している。過去10年間、毎年、チームの若いメンバーたちは互いの国を訪れ、現在までに50以上のイベントを主催・共催し、5,000人以上を動員した。

 

フォスター・ユースがストーリーを語る理由

 日本では、アメリカなどの経済先進国とは異なり、社会的養護の下で生活する子どもの85%が制度を離れるまで大規模な施設で暮らしている。若者が自分の意見を述べる機会も少なく、当事者の声が認知されていない。しかし、日本の当事者ユースが直面している困難の多くが、アメリカのユースが抱えている困難と極めて類似している。これらの若者たちは、恐怖や屈辱、そして孤独に満ちた幼少期を過ごした。文化や言語の違いを超えて、過去の経験を仲間と分かち合うことで、かれらは強い絆で結ばれ、ともに自信とエンパワーメントを蓄えてきた。

 この壁画プロジェクトは2023年夏にシアトルで始まり、2025年冬に日本の都市で行われるサミットと同時期に終わる計画である。鷲尾友公氏は、IFCAのユースメンバーたちとの面談の中でかれらの「困難とレジリエンスの物語」を聴き、そのストーリーから感じとったこと、得たインスピレーションを壁画デザインのベースとして、絵画全体の構図とエレメントを作り上げていった。

 


困難とレジリエンスの物語、壁画作品の為のイメージスケッチ

 

 このシアトルでの最初の壁画は、長いパンデミック期間を経た日米の若者たちを再びつなぐ試みである。私たちは、アートは人間とコミュニティをつなぐ世界共通の言語であり、アメリカと日本に創られる2つの壁画が、国境を越えたユースたちの連携と強さを表すインパクトフルな取り組みになると信じている。

 


 

一通り絵の説明を終えひと段落。その後はユースメンバーの発表がありその後、歓談を経てレセプション終了。

レセプション終盤にYOU(ヨウ・ワシントン大学卒業生)もやって来て大学内を案内してもらう。
徹底的に、どこまでも広すぎるワシントン大学。もはや街。歩いても歩いてもここもワシントン大学の校舎。本屋さんも病院もあったりして。ワシントン大学グッズコーナーも立派な品揃えだったのだが、デザインが。。ん〜〜〜。あんまり好みではないけど〜〜〜。ん〜〜。(高い。。。)

その後ユースメンバーが宿泊している宿へ移動。
少し話して夕食を買いに散歩。涼しい。夕日が綺麗。

 

Ivar’s Salmon House

 

シアトル在住のタクさんがご馳走してくれる。タクさん良い人。面白い。

ユース宅で話す。今までの事、これからの事、今回の滞在の事。
それぞれの思いを話し合う時間。こんなにリラックスした状態で話をするのはいつぶりだろうか。数十年前、ロンドンの友達の家で大富豪した時の事を思い出した。まだ未来があったあの頃の時間。ユースのメンバーの一人が言った。「20年後どうなってるんだろう。」

目の前にいるでしょう。それがこの私です。25年前アメリカへ一人、今では死語になった「自分探しの旅」をした自分はまたこうしてアメリカに来て絵を描く機会を与えられた。その頃には想像もしていなかった事だった。ただ漠然と、自分の混沌とした気持ちを表現したい。でもできない。という思いが交差しまくっていた時期だった。それがこうしてもはや世代を超えてまさに「表現」を通じてコミュニケーションをとれていることが嬉しかった。

「unoっ!!!」

深夜25:00 カードゲーム(uno)をしていたらこんな時間に。担当のSHIHOさんにタクシーを呼んでもらい帰宅。

 


学部長の挨拶

  
ワシントン大学の時計。


手伝ってくれたtimとtimと自分。


仕事を途中抜けてやって来たヨウ。


大学の一部の芝生コート。子供たちも自由に遊んでいる光景。どこぞの大学の芝部の使い方とは大違い。


100年前より大学の図書館。英ガーディアン紙によると「米国で最も美しい図書館」に選ばれたこともある読書室だそうです。


散歩。今日も陽が暮れていきます。

 

VOL.6へ続く

VOL.1はコチラ
VOL.2はコチラ
VOL.3はコチラ
VOL.4はコチラ

 

鷲尾友公 / Washio Tomoyuki

愛知県生まれ。独学で絵画を学び、街との関係性を軸に人物や事象などと関わり合いながら、イラストやデザイン、アニメーションなどジャンルを問わず、制作活動を人間の自由な行為として捉え表現している。街や商店街でクロスジャンルなコラボレーターと音楽企画も展開する。手に目と鼻が描かれたオリジナルモチーフの「手君」を美術館や海外で発表するなど、活動は多領域にわたる。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」などがある 。(写真:太田好治)

https://www.instagram.com/washiotomoyuki/

Born in Aichi Prefecture. Based on his perception of art as a free human act, WASHIO Tomoyuki, a self-taught artist, engages with people and events centered on their relationship with the city to create works spanning illustration, design, animation and various other media irrespective of genre. He also develops music projects in shopping streets and other urban sites together with collaborators working in hybrid fields. His activities are multidisciplinary, including exhibitions at museums and international venues featuring Tekun, an original character with eyes and nose painted onto a hand. Major exhibitions include Aichi Triennale 2019.

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