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今、最も体感すべきテクノロジーと音楽を「POST」する【後編】
「PLAYする感覚をもっと共有したい。」仕掛け人が語る、メディアとしてのフェス。

2015.10.11.Sun | ソフトピアジャパンセンター(岐阜|大垣)

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今週末、10月11日(日)に開催される、音楽×テクノロジーの祭典POST」。各界で活躍する、ミュージシャン/アイドル/クリエイター~実業家まで豪華な顔ぶれが岐阜に集結するこの革新的なイベントをどうか見逃さないでほしい!と心から願う、LIVERARYではその魅力を伝えるべく、短期集中連載でご紹介。イベントの全体像に触れた前編につづき、後編では「POST」主催者・森誠之さんにインタビューを敢行。さらにその核心へと迫りました。

 

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約束の時間に現れたのは、IAMAS出身で現在は社長業を営む、森誠之さん(36歳)。いたってカジュアルな雰囲気。

 

なぜ「POST」というフェスを企てたのか?

まず、彼が立ち上げた、株式会社GOCCO.「一体、何をしている会社なの?」という疑問から整理していこう。しかし、この質問に対して、非常に説明が難解であることはご本人も認めるほど。

森:例えば、3Dプリンターでつくった宇宙飛行士型の人形を、成層圏を越える高度まで上昇させ、そこに地上で撮影した自撮りをリアルタイムで映し出してそれをbrotherさんのWEB CMにしたり、Twitter上で特定のある条件をクリアされると、数値が貯まっていき巨大な空気砲が発動する、「体感型の超過剰演出SNSノーティフィケーション・超電波砲(SUPER DENPA BAZOOKA)」を作ったり…。

そんなことを日々研究開発している……  ん〜なんだかよくわからない。もう少し、聞いてみましょう。

ー最近だとどんな研究をされているのでしょうか?

森:例えば、最近だとワサビの研究をしていています。「ワサビボット」的なものを作ることが理想です。

ーなるほど…。

つまり、すごいことをやってることは間違いないが、その割に伝わりづらく、凡人には理解するまでになかなかハードルが高め。そんな異常なまでの遊び心と超ハイレベルな技術を併せ持った異能集団、株式会社GOCCO.の取締役である森さんが普段から直面し、抱えている課題が「テクノロジーを伝えることの難しさ」だとすれば、それがこの「POST」というイベントの開催経緯に結びつきそうだ。

さて、このぶっ飛んだ発想とアイデアの持ち主がなぜ岐阜にいて、さらに「POST」というフェスを開催することになったのか。これまでの経緯やこのフェスにかける主催者の思い、そして岐阜というローカルの未来についても少々…。森さんの高らかな笑い声と絶対的な自信に満ちた、ポジティブ且つ濃厚なインタビューをどうぞ。

 

SPECIAL INTERVIEW WITH
MASAYUKI MORI(GOCCO.)

Interview,Text and Edit : Takatoshi Takebe [ THISIS(NOT)MAGAZINE, LIVERARY]
Photo : Ryota Evina [ Sundwich.inc , LIVERARY ] 

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ーそもそも、このフェスを企画した、森さんご自身はフェスとかって行くんですか?

森:うちの会社の社員旅行は、フジロックだったんです。今年もみんなで行ってきましたよ。しかし、途中で仕事がやばくなってきたんで、帰ることになってしまいましたが(笑)。

ー(笑)。岐阜・大垣といえば、このイベントにも深く関わりのある「IAMAS」が思い浮かびますが、森さんもIAMAS卒業生なんですよね?

森:僕はもともと大阪でクラブDJをして遊んでいる時に、今よりもみんなフライヤーを撒く時代だったのもあって、格安でフライヤーを印刷することに特化した印刷会社を立ち上げました。それから、IAMASに興味を持って、一旦その会社は別の者に託して、進学したんです。で、IAMASで出会った仲間たちと今の会社GOOCO.を立ち上げました。

 

ここで、IAMASとは何なのか?整理/解説しておこう。

正式名称は、情報科学芸術大学院大学。先端的技術と芸術的創造との融合を理念に掲げ、新しい文化を発信する教育機関として、また情報社会の中での新しい表現者の養成拠点として岐阜県大垣市に開学。メディア文化・産業の広汎な分野で活躍する人材を数多く輩出し、国内外から高い評価を得ている。(http://www.iamas.ac.jp/

代表的な卒業生には、今回の「POST」にも登場する真鍋大度擁する、ライゾマティクスの面々がいたり、卒展には、宇川直宏(DOMMUNE)、津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)といったゲストを迎えたり…と注目されないほうがおかしいくらいのトピック性を持っている。が、海外や東京からは注目されるものの、地元からの反応は薄め…というのが現実的な問題のようだ。

 

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そんな地元岐阜やお隣名古屋からの認知度は低いものの、明らかにとんでもないスキルを持った集団であるIAMAS。そこを経て、森さんの第二の人生ともいえる「GOCCO.」がスタートした。前述したとおり、さまざまなクリエイティブとユーモアで新しい”何か”を生み出し続けている彼ら。そうすると、やはりこの質問に行き着く。なぜ彼らがフェスを企てのか?

 

「方法論としてのフェス、メディアとしてのフェス」(森)

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森:
IAMASは、確かにエッジの効いたことを常に仕掛けているんですが、エッジの効きすぎたことばかりをやっていても、一般的にはその価値って伝わっていかないんですよね。これまでのスタンスのままだと、IAMAS自体も知られていかないし、僕らGOCCO.っていう会社も同じく…なわけで。僕らは、東京にソリューションとして持って行ってようやく仕事になっているという状況で、名古屋や岐阜で仕事につながりにくいんです。9割型、東京にクライアントを持っています。だから、もっと地元岐阜や名古屋とのつながりを厚くしたい。もっと、このエリアの人たちとも遊びたい。そこで、情報をわかりやすく魅力的に発信するメディアを考えようってことになったとき、ラジオ?TV?そうじゃなくて、音楽フェスだったらいろんな人が来てくれる!って思って。だから、僕らが考えた「POST」は、方法論としてのフェス、メディアとしてのフェスとして開催します。

ーなるほど。「POST」には、テック系のコンテンツやビジネスシンポジウムとしての装置も含まれていますよね?

森:「POST」はそういう企業系の人たちにも来て欲しいんですけど、そのなかでも少し感度の高い方にいかにリーチするのか?意識しています。もっとエッジをたてることができると思うのですが、今回はエンターテイメントとビジネスシンポジウムやテック系のイベントと、いかに組み合わせられるか?それによって様々な方々が混じり合う場所(メディア)が生まれるのではないか?っていう命題に特化して企画しました。

ー一般層にも、企業さんにも来てほしいってことですね。

森:対企業さん向けの見解としてはそこの理解を得るのが難しかったんですよね。いわゆる、「○○○フェア〜」とかそういう風にセグメントされたイベントにしてしまえば、ターゲットは絞れるかもしれませんが。企業さんたちは「どんな人たちにリーチできるのか?集まるのか?」っていうところに縛られ過ぎている気がしていて、僕らは逆に「いろんな人が来た方が可能性として、意外なところでバズることがあるんじゃないか?」っていう発想でいて。いかに、おもしろい空間を用意して、そこに未発表段階のR&D(研究開発)を落とし込めるか?っていう方がおもしろいな、と。それを岐阜っていう地方からやっていくことで、地方創生っていものにもつながると思うし、日本自体ももっと攪拌(かくはん)できるんじゃないかって僕は思っています。

ー地元企業からの応援や理解ってあるんでしょうか?

森:だいたいみんな「なんでこれ、音楽ライブいれるの?」みたいなことを言われるわけで(笑)。そこは本当に説得しました。ミュージックフェスとして見てもらっても、このラインナップで前売4000円ですし、学生なら1000円で入れるんで、個人的にはかなりリーズナブルな価格だと思っています。また、アフターパーティーもあって、メインイベントの方のチケットを買った人はタダでそのまま入れます。夜のラインナップも充実していると思いますよ。

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ライブステージには、篠崎愛ほか、中塚 武、DE DE MOUSE + 山口崇司、 P.O.P、 Q’ulle、 Silvaが出演。


ーIAMASやGOCCO.さんの最新技術はいかにしてこのイベントに投下されるのでしょうか?

森:まず、僕らもそうなんですけど、自社の研究開発や技術といったものを試したり、見せたりできる場所がなかったんですよ。「POST」はその場所を自分たちで作ったとも言えると思います。例えば、IAMASで研究されている人間が聞こえるレベル(20Hz以上の音)よりも高周波音を来場者のもつスマートフォンでうけるとアーティスト側で任意に映像や音などを出すことができるシステムがあります。この高周波音を音楽の中に入れて流すことでそれに反応する技術を仕込んだデバイスをつくれば、Coldplayのライブで導入されたXylobands™みたいなこともできたりします。それから、Vain(6秒間の映像投稿型SNS)のような感じで、みんなが撮った写真をそのアプリで投稿すると自動的に集約されPVのようになって会場内のスクリーンにも映しだされたりとか。そんな仕掛けも企画していますよ。


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Xylobands™が世界で初めて使用したライブの映像。

 

「もっと“PLAYする感覚”をこのエリアの人たちと共有したいなって思っています。」(森)

この内容のイベントを大垣の顔ともいえる建物「ソフトピアジャパンセンター」を使ってフェスを開催するというのは、例えば、山奥で勝手にフリーフェスを計画するレベルのサークルノリのフェスとは、レベルも意味も全く違う。だがしかし、若者文化とは疎遠なご年配の諸先輩方はじめ、頭の堅い企業人たちを説得し、フェス開催へと話を進めることは、どんなに優れたテクノロジーを駆使した画期的なイベントであることを説明したとしてもなかなか到達できない、相当高い壁があったことが想像される。そんな大変な思いをしながらも、何とかしてその壁を低くし、このフェスを実現させることに努めた森さんが、「POST」で本当に伝えたいこととは…?

ーはっきり言って、東京でやったらもっと拡散される内容でしょうし、自ずと集客もすごいことになるんじゃないか?と思ってしまいました。東京とのネットワークも持っているのに、なぜ、大変な思いをしてまで岐阜・大垣市で「POST」を開催する必要性があったのでしょうか?

森:僕は現住所も出身も大阪なんで、岐阜が地元ではないです。しかし、この岐阜の学校にきて会社を立ち上げ仕事をしている。だからこそ岐阜や名古屋とのつながりを厚くしたいのは確かです。今よく言われる地方創生ありきのことではなく、いかにIAMASがあり、私たちのようなベンチャーが存在しているか?を考え、自分たちの居場所をいかにして今、一番楽しめる場所にしていけるのか?というのが、率直に開催動機につながっていると思います。

ーまず、一日限りでも、自分たちが思う存分楽しめる場をつくってみようというのがこの「POST」であるわけですね…。さらに言えば、その場所で、自分たちの技術含め、おもしろいと思えることを共有したい、と。

森:そもそも、ビジネスはビジネス、音楽は音楽っていう考え方ではなくて、もっと“PLAYする感覚”をこのエリアの人たちにも共有してもらいたいなって思っています。海外でいうとSXSW(Pefumeが真鍋大度演出によるライブパフォーマンスを行った)とかって、うまいことそういうものが混ぜ込まれていて。だから、今回は第一回目なんで、まずそういう新しい価値観を受け入れてもらえる「ファウンデーション(土台)」をつくることに専念しました。もう来年は主催者は別の人にお願いしたいくらいです。本当に大変なんで(笑)。これを機会に、もっとうまいことやれる人たちが入ってきてくれたらもっと色々できるんじゃないかと思います。そうなったら、僕はアフターパーティー部門だけ頑張ります(笑)。

 

どうしたって片田舎に過ぎない岐阜という町で、いくらエッジの効いたことをやっていても伝わりきらない。しかし、そのエッジは見せ方を変えさえすれば、POPに変容する。東京だけじゃなく、世界もが認めるIAMASとその界隈から生み出された最新テクノロジーを、巨大なオフィスビルの中にエンターテイメントとともに投下する。

会場内に蔓延する「PLAY」する感覚は、あなたの想像をはるかに超え、明日からの価値観すらアップデートさせてくれるはず。ローカルからの東京へのカウンターパンチを放つべくして、音楽×テクノロジーの新感覚フェスが10月11日「POST」される。

 


 

「POST」って何?今、最も体感すべきテクノロジーと音楽を「POST」する【前編】
真鍋大度、tomad、篠崎愛…!?各界の鬼才が岐阜に大集結する規格外のライブ&トークイベント。

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イベント情報

POST
会場:ソフトピアジャパンセンター岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7)
時間:
9:30開場
10:00-17:00テクノロジーフェア
10:30-20:00ビジネスシンポジウム
15:00-21:00ミュージックフェスティバル
料金:前売4000円/当日4500円
ライブ出演:
篠崎愛、中塚 武、DE DE MOUSE + 山口崇司、 P.O.P、 Q’ulle、 Silva
アフターパーティー:
DJ DaitoManabe + Setsuya Kurotaki+VJ Rhizomatiks Research、DJ TASAKA、tomad、Bim&VaVa、刀頭 、DJ MOTIVE …and more!

チケット: LIVEPOCKET / ぴあ 
詳細:https://www.postfes.jp/

POST
テクノロジーの進化、環境や価値観の多様化とともに、
私たちの働き方や生き方、ものづくりが少しずつ変わってきています。
POSTではこの緩やかながらも確実な変化を「テクノロジーで働き方や生き方が変わる、
ものづくりが変わる」絶好の機会ととらえます。
そこで、ビジネス・テクノロジー・ミュージックの3つをかけ合わせることで生まれる、
新たな未来を創り出すアイデア・技術・好奇心を日本の真ん中、
ITの集積地である岐阜県大垣市から皆様にお届けいたします。

 

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株式会社GOCCO.
信長の時代、楽市・楽座の“楽”とは、モノや情報、人々の交流がオープンで自由な状態を意味しました。
農具から鉄砲にいたるまで様々な「ものづくり」にイノベーションが起こり、
新興業者、起業家、クリエーターが育まれ、経済が活性化しました。
また茶の湯など当時一流の高級サービスや、芸術など文化も興隆し、
江戸時代の連、講、結などのコミュニティ運動へも繋がっていきました。
GOCCO.は“楽”を通して現代の“連”をつくり出し、ビジネスの未来をデザインしていきます。
http://www.gocco.co.jp/

posted by LIVERARY

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