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豊田市博物館開館に向け、ミュージアムと社会との関係を探る企画展が豊田市美術館にて開催。リウ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォーが出展。

2024.01.20.Sat - 05.06.Mon | 豊田市美術館 (愛知 | 豊田) 

 

企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」が、120日(土)〜56日(月・祝)の期間豊田市美術館にて開催。

本展は、4月に豊田市美術館の隣に生まれる総合博物館豊田市博物館の開館に向けて開催される展覧会。歴史や文化、記憶などに着目する現代作家リウ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォー5人による、ミュージアムと社会との関係性を探る展示になっている。

 

リウ・チュアン《リチウムの湖とポリフォニーの島Ⅱ》2023年 Courtesy of the artist

タウス・マハチェヴァ《Tsumikh(鷹にて)》2023年 Courtesy of the artist

ガブリエル・リコ《El Horóscopo de Jesús (Dan, Richard & Joseph) II》2023年 Photo: Keizo Kioku, Courtesy of the artist and Perrotin

 

博物館や美術館など、ミュージアムの原型は、15世紀からヨーロッパの王侯貴族の邸宅に設けられた「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」にあると言われている。
そこは、絵画や影刻に加え、動物の剥製や植物標本、地図や天球儀、東洋の陶磁器など、世界中からあらゆる美しいもの、珍しいものが集められる小さいながらも豊かな空想を刺激する空間だった。しかし、大航海時代の始まりとともに形成されたヴンダーカンマーには、集める側と集められる側の不均衡や異文化に対する好奇のまなざしも潜んでいた。

 

かつて「博物館行き」は物の終わりを意味する言葉だったが、事物の意味はそれ自体に内包されるのではなく、人間によって作られるものだといえる。
実際に近代の現代美術では、作家たちが事物を別の文脈に置き直したり、まったく異なるものと組み合わせることで、新たな意味を生み出している。

本展では、このような視点から歴史や資料を調査・収集し現代のテクノロジーを交えながら、時を超えた事物の編み直しを試みる。
文化の真正性とはなにか、5人の作家たちが未来に向けて問いかける。

 

田村友一郎《Ars》2017年

ヤン・ヴォー ギュルデンホーフ、2023年10月 Photo: Nick Ash

 

イベント情報

2024120日(土)〜56日(月・祝)
企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」
会場 :豊田市美術館(愛知県豊田市小坂本町8丁目5-1
時間:10:0017:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日(212日・429 日・56日は開館)
1225日(月)~119日(金)は、展示替え休館。
観覧料:一般 / ¥1,500   高校・大学生 / 1,000
中学生以下無料
出展作家:リウ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォーお問い合わせ:0565-34-3131(学芸担当:能勢、石田)

 

【出展作家によるトーク】
2024120日(土)
タウス・マハチェヴァ(出展作家)+通野わか乗(ロシア現代美術・詩研究)対談
会場:豊田市美術館内美術館講堂
時間:14:00

2024121日(日)
リウ・チュアン(出展作家)トーク
会場:豊田市美術館内美術館講堂
時間:14:00

リウ・チュアン Liu Chuang
1978年湖北省(中国)生まれ。上海拠点。
映像、厭刻、インスタレーション、パフォーマンスと多岐に渡る手段で作品を生み出す。近年はフィールドワークによる世界の周縁や都市のインフラストラクチャーの調査を交えたの映像作品を発表。主な展覧会に個展「Lithium Lake and Istand of Polyphony」、 ANTENA SPACE (中国/2023)、「もつれるものたち」(東京都現代美術館/ 2020)「アジア・アート・ビエンナーレ2019」(台湾/2019)など。

 

タウス・マハチェヴァ Taus Makhacheva
1983年モスクワ(旧ソビエト連邦)生まれ。モスクワ及びドバイ(アラブ首長国連邦)拠点。
歴史記録や文化的遺物、個人的な記憶を、ユーモアとアイロニー に壮大な空想を加えて、映像や彫刻、インスタレーションとして展開する。主な展覧会に「第14回光州ビエンナーレ」(韓国/2023)、「横浜トリエンナーレ 2020」(横浜/2020)など。

 

ガブリエル・リコ Gabriel Rico
1980年ラゴス・デ・モレ(メキシコ)生まれ。グアダラハラ(メキシコ)拠点。
動物の剥製、貝殻や枝などの個人的な思い出など、発見・収集した 素材にネオン管などの日常的な物を組み合わせ、現在の人間と神話、また自然環境との新たな関係を探る。
近年の個展は「THE PROPAGATION OF TEURÁRI」(東京/2023)個展 「The Discipline of the Cave」(アスペン・アート・ミュージアム/2019)など。

 

田村友一郎 Yuichiro Tamura
1977年富山生まれ。京都拠点。
土地固有の歴史や文化、大衆の関心、自身の興味に基づく幅広い題材から、ときに意外な方法でそれらを繋ぎ合わせ、映像を含むインスタレーションを制作する。主な展覧会に「国際芸術祭あいち2022」(愛知 / 2022)「アジア・アート・ビエンナーレ 2019」(台湾/2019)個展「叫び声/Hell Scream」(京都市立芸術大学@KCUA/2018)など。

 

ヤン・ヴォー Danh Vo
1975年バリア(ヴェトナム)生まれ。ベルリン拠点。
自身の経験、家族の歴史、社会的あるいは政治的な歴史に彩られたレディ・メイドの物、写真や手紙などの蒐集品、また彼の周辺の大切な人たちの手によるものを取り込みながら作品を生み出す。主な展覧会に「Danh Vo」(ウィーン・セッション/2021)、「ヤン・ ヴォー ―ォヴ・ンヤ」(国立国際美術館/2020年)など。

posted by A.IINUMA_LIVERARY

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