2021.02.13.Sat - 02.28.Sun | PARCO GALLERY(愛知|矢場町)
映像、WEB、音楽、アートなど数々の新しい詩の運動をまきおこしてきた現代詩人・最果タヒによる詩の展示「最果タヒ展」巡回展が2月13日(土)〜28日(日)の間、名古屋パルコ西館6F・パルコギャラリーにて開催される。
スマートフォンで詩を書き、現代の感情を繊細かつ鋭く表現する最果タヒの作品発表の場は、アナログ〜デジタルまで媒体を選ばず、常に越境し続けてきた。今回の展示は至る所に「詩になる直前」の言葉たちが展開され、展示空間の中を観客が歩き回り、体験し、初めて意味が成されていく体験型のインスタレーションとなっている。
告知ビジュアル、展示空間の構成、アートディレクションは、これまで最果タヒの書籍デザイン等も多数手掛けてきた、第一線で活躍するグラフィックデザイナー・佐々木俊が担当。
今回の告知ビジュアル
なお、2月13日(日)には、デザイナー・佐々木俊をゲストに迎え、最果タヒはWEBチャットで参加する特殊な形でのトークイベントも開催される。
佐々木俊
言葉が琴線に触れるその瞬間、あるいは目が無意識に言葉を意識している感覚に気づいていく、言葉との新たな出会いをぜひ体感してみてほしい。
〈以下、最果タヒのコメントより〉
言葉は、常に運動をしている。何億人もの人がその言葉を用い、それでいて、それぞれが少しずつ違った意味や印象を、言葉の向こうに見出している。だからこそ言葉は、刻々と変化し、運動を続けている。
わたし一人が、言葉を一方的に、道具として用いることなどできず、常に、言葉が抱える無数の意味や価値の渦に巻き込まれていく。そのコントロールのできなさ、言葉に振り回される瞬間に、わたしは「言葉に書かされている」と感じます。それは時に、わたしよりも深く「わたし」を捉える言葉となる、わたしを飛び越えた、別の何かへと変貌する言葉となる、それこそが、わたしにとっての「書く喜び」です。言葉がわたしの代弁者として、世界へ出ることなどありません。わたしはいつも置き去りにされ、そこが痛快であるのです。
知らない自分に、言葉で会うこと。それは、自分の底さえ突き破り、その向こうの、自分ですらないものへと、繋がることだ。だからこそ言葉は、書かれ、他の誰かに読まれることをじっとじっと待っている。
詩の展示。
言葉が、わたしを飛び越える。
それは、「読む」瞬間もきっと同じです。読むことは、与えられた言葉を受動的に読むのではなく、その言葉を自分だけの言葉へと変容させていく行為だと思う。そのとき、言葉の変化は、読むその人の予想を、そしてその人自身を、時に追い越していくだろう。それは「書かれた言葉」のスピードであると、読み手は思うのかもしれない。けれど、あなたも加速している、あなたの言葉が、加速している。そのスピードを、肌で、気配で、空間として、感じられる場所を、私は「詩の展示」と呼んでいます。
われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。あなたしか立つことのできない確かな星から、どうか、言葉を見に来てください。
最果タヒ
LIVERARYでは、最果タヒさんへの質問を募集中!
最果タヒさん本人に「ぜひ聞いてみたい!」と思ったあなたの生の言葉を質問文にして編集部までメールください。後日、行われるインタビューにあなたの質問も加えられるかも?!(注:寄せられたすべての質問を採用できるわけではありませんので、予めご了承ください)
※締め切り:2月14日(日)まで
※メールの件名を「最果タヒ質問」とし、info@liverary-mag.com までメールしてください
2021年2月13日(土)~2月28日(日)
最果タヒ展
会場:名古屋パルコ西館6F PARCO GALLERY
営業時間:館に準ずる ※最終日は18:00まで ※休館日:2/17(水)
料金:一般800円(税込)/ミニ本付チケット1800円(税込)
主催:キョードー大阪/パルコ
協力:中京テレビ事業/sou nice publishing
企画制作:キョードー大阪
チケット・詳細:https://iesot6.com/
【関連イベント】
2021年2月13日(土)
トークイベント「最果タヒの詩とデザイン」
会場:名古屋パルコ西館6F PARCO GALLERY
時間:13:00〜/16:00〜(計2回)
ゲスト:最果タヒ、佐々木俊(※最果タヒ本人の登壇は無し。WEBチャットで参加)
参加方法:ミニ本付チケット購入(前売・当日どちらでも可)のお客様を対象に、イベント当日のオープン11時より入場時にて参加券配布(先着順。なくなり次第配布終了)
※イベント詳細や、
最果タヒ
1986年生まれ。2006年、現代詩手帖賞受賞。2008年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。その他の主な詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(同作は2017年石井裕也監督により映画化)。エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』などがある。作詞提供もおこなう。清川あさみとの共著『千年後の百人一首』では100首の現代語訳をし、翌年、案内エッセイ『百年一首という感情』刊行。2017年にルミネのクリスマスキャンペーン、2018年に太田市美術館・図書館での企画展に参加、2019年に横浜美術館で個展開催、HOTEL SHE, KYOTOでの期間限定のコラボルーム「詩のホテル」オープンなど、幅広い活動が続く。最新詩集は『夜景座生まれ』。今春にエッセイ集『
佐々木俊
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