ブラジル・サンパウロにおいて毎回数千人を集めるアンダーグラウンドDiYパーティー/コレクティブ「VOODOOHOP」。ヨーロッパでもそのムーブメントは拡大し続け、新しいムーブメントとして世界的に注目を集めている。その主体メンバーである、THOMASH、PETER POWER、URUBU MARINKA、A MACACAを迎えたスペシャルなパーティーが11月25日(土)〜翌26日(日)までの2日間に渡り豊橋・cafe enbeachで開催される。
「VOODOOHOP」クルーの来日は、静岡の野外フェス「frue」や、配信番組「DOMMUNE」出演などを経て、すでにコアな音楽ファンを中心に国内でも話題に。今回の2DAYSイベントが、彼らの来日ツアーの最終章とも言えるだろう。
今イベントでは「VOODOOHOP」コレクティブの他に国内のアンダーグラウンドシーンで活躍するDJらが多数集結する。浜松を拠点に活動するINTERSPECIESクルーをはじめ、大阪からはGR〇UN土、ChillMountainクルー。さらに「newtone records」のバイヤーとしての顔も持つDJ、YA△MAも登場。また、フードやアパレル・雑貨などの出店も多数あり。2日間に渡るパーティーを遊び尽くせる、盛り沢山の内容となっている。
Thomash (VOODOOHOP / GE / BR)
ブラジルとヨーロッパを中心に活動するノマド的アンダーグラウンドDiYパーティ/アートコレクティブ『VOODOOHOP』。Thomashはその首謀者であり、DJ、トラックメイカー。異常に遅いスローテクノ、国籍不明の民族音楽、トロピカルサイケデリア、レインボーカラーのシンセサウンド、クラウトロック、儀式的パーカッションにダブ、ディープハウス等を比類無いセンスでミックスし、ディープサイケデリックな呪術感を持ちつつ、全てを優しく包み込む太陽のようなオーガニックダンスグルーブ。近年はセット内の多くの楽曲が自身のトラックで占められ、自作でコーディングしたソフトウェアやドラムマシーン、ダブディレイ、コントローラーを使用した即興感溢れるグルーヴィーな世界を構築している。現在はブラジルとヨーロッパを行き来して活動しているが、出身はドイツのケルン。古くはCANなどの多くのクラウトロックを産み、近年はKompaktのお膝元として、60年代から常に革新的な音楽を生み出してきた街で生まれ育った。そのジャーマンブラジリアンのルーツ、ヨーロッパの前衛エレクトロニックダンスミュージックの感性と、ブラジルの南国快楽主義的な空気感が混じり合った不思議なダンスミュージック。Sónar São Pauloや、ドイツのFUSION FESTIVAL、Melt!にも招聘され、サンパウロではFloating Points、John Talabot、 Optimo、Alva Noto、Rebolledo、Acid Pauliなどの個性的なアーティスト達と競演している。過去にはMulti Culti等からもリリースをしているが、ほとんどの楽曲はライブかSoundcloud等のインターネット上でしか聴くことが出来ず、メディアに載ることも少ない為存在はいまだ未知の魅力に包まれている。ダンス大国ブラジル発、今やヨーロッパのダンスミュージックの最先端を革新する、Thomash、再来日!
PETER POWER
“外側”と”内側”の間で起こるさざ波、宇宙をめぐる愛が生み出す螺旋、目に見えない何かが生み出し空間を伝わっていく衝撃、太古から響くこだま、目覚め。ポツリと落ちてきた一粒の感情、中心が揺れる、逃げ出したくなる。すぐに裏返る、ギリギリの調和、過去から紡がれる曲がりくねった科学。バランスを取る、でもコントロールを捨てて、上昇を捉え、下降を楽しむ、神聖な光とそれが内包する影の領域を超え、ただ美しさに感謝を捧げる。
A Macaca
フランス出身のA Macacaは、2009年よりブラジルに拠点を移して以来、Voodoohopコレクティブの中心人物として活動を続けている。DJとして世界中を飛び回る彼女は、近年楽曲制作も開始し、2016年にリリースされたVoodoohopのコンピレーションに収録されたPeter Powerとのコラボレーション曲『Alma da Terra』でその非凡な才能の一部が垣間見れた。旅先で出会ったミュージシャンたちとのコラボレーション楽曲や、緊張感と開放感を行き来するDJミックスは彼女のSoundcloudで聞くことが出来る。A MACACAとはポルトガル語でメス猿を意味し、音楽だけでなくVoodoohopを構成する要素、パフォーミングアートにおいても中心的な役割を担っている。期待に答えるクオリティと予想をくつがえす矛盾を同時に内包する不思議なおもちゃのような存在。彼女のアイデンティティは、動物と人間の間、女性性と男性性の間を行き来し、見るものと演者の境界がはっきりしないように、彼女は踊る。今回のジャパンツアーの前にはアフリカ、ウガンダのNyege nyegeスタジオでのレコーディングも予定されており、常に新しい要素を取り入れて変異を続ける彼女の”今”を体感させてくれるだろう。
URUBU MARINKA
Voodoohopの中でも最も人気のあるDJのひとり、URUBU MARINKAのスタイルはエレクトロニックダンスミュージックとトロピカルリズムの波、ソウルフルな電子音、新鮮な響きの歌モノを挑戦的に混ぜ合わせた新しいグルーブ。アフロブラジリアンカルチャーの中心地で生まれ育ったURUBUは電子機材に出会う前はパーカッション奏者としてその翼をはためかせていた。Voodoohopとして活動を始めてからは、とろけるようなサイケデリック感を持つブラジル産フォルクローレ音楽のもっともディープな部分の掘り起こしとともに、木を叩く音や皮が震える音といった自然音のサンプリング、オシレーターなどを自分のセットに取り込んでいった。ブラジルを中心とした南米の都市での活動はもちろん、現在はヨーロッパにも活動の拠点を置き、滞在先で幅広い音楽を吸収してセットに取り入れている。ドイツのフュージョンやNation of Gondwanaといった大型フェスティバルやイビザのAcid Pauliが主催するパーティAcid Sundayにも招聘されるなどヨーロッパでもその人気を拡大させている。