Report by LIVERARY
「本は売れない」、「本屋は廃業」、「紙媒体はなくなってしまう」、巷ではネガティブな言葉が飛び交っているように感じる。Amazon.comの成長、電子書籍の発達などが日本の出版業界に大きな打撃を与えているのだろう。
しかし、その状況下においても内沼晋太郎(numabooks代表/ブック・コーディネイター/クリエイティブ・ディレクター)は「本というものの定義を拡大すれば、本の未来は暗いものではない」と著書の中で述べている。
1月12日に同氏の著書である『本の逆襲』(朝日出版社)の発刊記念であるトークイベントが、名古屋の書店ON READINGで行われた。聞き手となるのは名古屋エリアでカルチャー発信の担い手として活躍する、THISIS(NOT)MAGAZINE・武部敬俊と、ON READING・黒田義隆。ローカルと東京、そして出版業界の裏話?まで、本にまつわる3人のトークは、本が好きな人種にとってはもちろん、そうじゃなくても何かをスタートさせたい衝動に駆られるとても興味深い内容でした…。
『本の逆襲』(朝日出版社)刊行記念トークイベント
「逆襲する本のために」
<2014.1.12 @ON READING>
Text & Edit by Taijun Maeda (LIVERARY)
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<取次とは?>
黒田:では、会場に集まって下さった皆さんのうち、例えば書店員さんだったり本に関わっているお仕事をされている方はどれくらいいますか?本屋さんの方、本を作る側の人、取次の人。
内沼:トーハン、日販共に名古屋支社もありますが、いらっしゃらないですよね……?実はこれ、出版社とか書店とか出版業界の人は、トークのはじめによく聞きたがるんですよね。「やっぱり取次の人はいない」って確認して、そこから話し始める。「なぜ取次は来ない?」ってちょっと怒りを込める人もいる。うなずいている人がいるんですけど(笑)。そういえば、ここ(ON READING)は、取次は通していないんですよね?
黒田:そうですね、一切使っていません。B&Bさんは取次を通していると思うんですが、いま例えば書店を始めたい人がいるとして、取次と契約するのって非常にハードルが高いですよね?
内沼:いわゆる大手取次と契約するハードルは、めちゃくちゃ高いですね!現在、うちはトーハンさんと契約しています。もちろんケースバイケースですが、通常の書店の条件で取引をしようとするとき、取次にも利益が出る最低ラインの売上は、どんなに少なく見積もっても月間200万。これが結構大変です。それが前提としてあって、かつその数倍の保証金を預けなければいけない。ですから全くの新規参入で契約した書店自体が、そもそも数年ぶりじゃないか、といわれます。
武部:何か奥の手でも使ったのですか?(笑)。
内沼:真正面からいきましたよ(笑)。ただトーハンさんに、自分たちがやろうとしていることにいかに将来性があり、それがいずれどのようなトーハンさんのメリットになるかということは、きちんと考えてプレゼンしました。それが大きかったと思います。
<地方(ローカル)と東京>
黒田:前著(『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』朝日新聞出版刊)の中で、何か新しいことや面白いことを始めるなら東京に行ったほうがいい、というようなことを仰っていたと思いますが、今までにブルータスの特集などで全国の書店をまわったりしていて、なにか地方に残された可能性とか新たな発見だとかはありましたか?
内沼:書店ということにおいては、必ずしもいま東京はそんなに面白くないと思っています。新刊書店の場合は全国どこでも同じものが買えて、仕入れ値も売値も決まっている。なので、放っておいても売れているときはいいんですが、売れなくなると経営努力ができるポイントが他の業態と比べて極端に少ないんですよね。そうなると最終的には人件費の問題であったり、家賃の問題になってくる。すると、必然的に都市部であればあるほど相対的にやりにくいんです。あと、東京より地方の方が、人と人との繋がりが生まれやすいのではないかと感じます。その土地で、たとえ狭いコミュニティであったとしても、本当にそれが好きな人たちに届けることができる。それに、ネットで広く物を売る分には、東京であるか地方であるかは大きな違いではないですしね。
武部:東京だとユトレヒトさんとか、もうちょっとサブカル寄りだとタコシェさんとかそういうコアな書店があったり…他にも埋もれてしまっている面白い店もあると思うんですけど。
内沼:そうですね。もちろん東京にも面白い店はたくさんあるのですが、ユトレヒトにしてもタコシェにしても、もう開業してから5年とか10年とか経っている。ここ数年、新しい人がでてきている感じがしないですよね。 ネットで気になったリトルプレスやZINE(ジン)を「これ面白そうだな」って検索すると、たいてい恵文社かON READINGの名前が出てくるんです。黒田さん、正直、これは自信あるんじゃないですか(笑)?要は名古屋と京都なんですよ、東京ではなくて。リトルプレスやZINEを仕入れて売るのって結構細かくて大変なことで、少なくとも取次に慣れてしまっている書店には、そのハードルは高い。そういうものをこまめに売っていこうという意識は、東京より地方のほうが高いのではないかと感じていて、それがその検索結果に象徴的に表れているのではないかと思います。ここは本当にいい店ですね(笑)。
<東京ブックシーンの四大柱?>
武部: 「新しいお店がでてこない」っていう話に通じると思うんですけど、ブルータスで本の特集とか組まれると、ほぼ確実に目次に、内沼さんとバッハの幅さんとユトレヒトの江口さん、あと松浦弥太郎さんの名前があって…。東京は“本”というものをくくるときに、一体いつまでこの4人を取り上げ続けるのだろうと(笑)。
内沼:いや、僕もどっちかっていうと最初は外側でした。10年くらい前、僕がちょうど文庫本を封筒に包んだ「文庫本葉書」を売っていた頃なんですが、黄色い表紙のブルータス本屋特集号があって。その時点では松浦さん、幅さん、江口さん、あとハックネットの安岡さん、この4人でしたね。敢えて言うなら、松浦さんや安岡さんが本屋としてはあまり出てこなくなったところに、なんとかこう食い込んでいったのが僕、という図式なんじゃないでしょうか(笑)。最近では、ブックアパートとかブックトラックをやっている三田さんとか。以前、SHIBUYA PUBLISHING BOOK SELLERSの店長をやっていた方です。彼は古本をトラックに積んで売ったりだとか(ブックトラック)、アパートの中にお店をつくってそこで古本を売ったりしていますね(ブックアパート)。あと洋書ではリムアートやポストの中島さんとか。 やっている僕たちも、たまにいつも同じメンツだなと思うこともありますけど(笑)。でも、それはクールに言うとそんなに需要がないから、それで食べられる人が増えないだけともいえるんですよね。
<ブック・コーディネイターという仕事>
黒田:実際やっぱり「ブック・コーディネイター」の仕事は、単純に本について幅広い知識が必要だし、流通面にも明るくなきゃいけないし、難しいものだと思うんですが。
内沼:もちろん簡単ではないですけど、仕事って、最初の事例ができないとその後に繋がらないじゃないですか。僕にとっては、たまたま早い段階でやれたことが一個の着火剤となっているというだけで、実際は能力を持った人は、もっとたくさんいると思うんですよ。
黒田:いわゆる大きな書店に勤めている方で“名物書店員”みたいな方は全国に結構な数いると思うんですが、そんな方々だと結構そういう仕事できちゃいそうですよね。だから大きな新刊書店がそういうビジネスを始めても結構面白いかなって思います。
内沼:そういう意味でいうと、青山ブックセンター(ABC)さんとかはやっていますよ。今はなくなってしまいましたが、かつてABC はサイトのはじっこに「ブックコーディネイトやります」みたいなことが書いてあったと記憶しています。集合住宅にライブラリーを作るときにABCが請けてセレクトして納品するとか、そういうことです。東海圏だとあんまりないかもしれませんが。
黒田:うちも頼まれたり、けっこうそういった相談には乗っているので声をききますけど、やっぱお客さんには予算が全然ないんですよね。気軽に頼んでくるんだけど、やっぱり売るためにはちゃんと手入れし続けなきゃいけないし、ある程度の知識を持ってもらわなければいけない。加えて、流通面でのリスクがありますって説明すると「じゃあ、やめます」ってなっちゃいますよね。
内沼:なっちゃうこともありますね。特に、売るのは難しいです。ただ、連絡をくださる方が「本をやりたい」と考えた理由をヒアリングしていくと、解決策がある場合も多いです。基本的に先方は本や出版流通のことはご存じないですから、最初のイメージ通りにいくことは稀で、逆提案や少しサイズダウンするような提案をして、現実的な形にしていくのが殆どですね。 「本をやりたい」と考える時点で、やっぱり何かしらの思いがあるじゃないですか。それを何かしらの方法で形にする部分に頭を使うのが、ぼくの仕事なんですよ。もちろん、向こうにも予算の制約があるし、こちらにもかけられる手間の制約があるので、100%完全に成し遂げるのは難しいところですけど、なるべくなんとかしたいと思いますね。
<LIVERARYについて>
黒田:内沼さんを追いかけていると全然本だけにとどまっていなくて、うちがそのWEBマガジン(LIVERARY)立ち上げに参画したのも、本屋は本を売るだけが仕事じゃないっていう思いもあったし、やっぱり東京に比べて地方はコンテンツの量に劣るのでそれをつくっていく土壌をまず作らなきゃなって思ったからなんですよね。
内沼:僕は、LIVERARYを見て、すごくいいなって思ったんですよ。本当に。逆取材したいくらいです。さっきも言っていましたけど地方のそういう本屋さんとか、本に関わる人、あるいはカルチャーに関わる人がその土地で文化を生み出していかないといけない。かといってこれは地方だけじゃなくて、東京だって全然そうなんですけどね。 実は僕も最初B&Bを立ち上げるときの企画書には、「WEBマガジンもやって広告もとる」みたいなことを書いていました。優先順位は低かったので、現時点ではまだ手をつけていないですが。ただ、やっぱりそれくらいやらなきゃいけないというか、情報を発信していると人が集まって、そしてモノも集まってくる、何か集まってくるとそれを見て実際に作り始める人が出てきて、それが売り物になってそこから才能がでていくみたいな。その渦の中心みたいなものを作ることが、大げさにいうと「本屋が街に文化をつくる」ということだと思っています。 たぶん、名古屋には「点」ではいろんな面白い店とかあるけれど、その情報をまとめて発信するところがなかったんですよね。それがないと、どんなに面白い人がいてもその周りだけで終わってしまう。でも、このLIVERARYみたいな媒体があれば名古屋の情報を東京の人だろうが外国の人だろうが見るわけだし「こんな面白い人が名古屋にいるんだ」「名古屋ってなんか盛り上がっているね」って思われると名古屋自体が一個の発信力をもったメディアになるということですよね。 遠くから見たときに、東京のサイトよりも面白かったりしたら「もしかしたら日本の中心は名古屋なんじゃね?」と思われる可能性が、全然あると思うんです。また、東京を経由せずに名古屋からいきなり世界へ、みたいなアーティストとかいっぱい出てくればいいですね!勝手にしゃべっちゃいましたが(笑)。
黒田:そうですよね。最初に言っていたのは、名古屋近隣のひとにはもちろん見て欲しいけれど、東京の人が見てうらやましいと感じてもらえるものをつくろうって話はしていました。
武部:僕はよく思うんですが、やっぱり各々の住んでいる地域とそこにあるローカルカルチャーの面白さに、近くにいる人が気付かないっていうことが結構あるんじゃないかなって、「隣の芝は青い」じゃないんですけど名古屋に済んでいても東京や大阪、福岡のほうが気になってしまったりしますよね。だから、逆に県外の人が名古屋のカルチャーに注目していたりとか、あと、台湾の人たちってすごい日本のカルチャーに興味があったりだとか。 それを象徴するかのように、WEB解析では「LIVERARYをどこから見ているのか」っていうデータがでてくるんですけど、実は、東京の人が1位なんですよね。次点で愛知県なんですよ。
黒田:それもどうかと思うんですけど(笑)。
<「本の仕事」と「仕事の本」>
内沼:今回『本の逆襲』が出ましたけど、本当は2冊同時に出す予定だったんです。他の出版社からもう一冊、仕事に関する本を。前回の本が「本の仕事」と「仕事の本」で表裏でしたが、今回はそれぞれ別に出そうと考えて、それぞれの出版社にプレゼンしました。
黒田:今後、「仕事の本」がでる(笑)?
内沼:今後……ちょっとまだわかりません。これは僕の問題なんですが、分量的には十分なところまで書いたんですけど、現時点ではあまり出したいものになっていないというか、そもそも僕が「仕事論」を書く意味みたいなところにぶち当たってしまったというか。そちらの出版社の方には本当に申し訳ないんですけど……それがいま非常に悩ましいところですね。なんとかしたいと思って、ずっと考えてはいます。
武部:僕がもし内沼さんに「仕事論」で聞きたいことがあるとすれば、『本の逆襲』のなかでもそうだったように、これまで「いろいろな面白いアイデアを形にして」ということの連続だったと思っていて、実際のところ、アイデア自体はみんな空想したりすれば浮かぶじゃないですか。しかしそれを形にする段階ですごい障壁がある、と思うんです。でも、内沼さんはそれを対企業とかでもちゃんとプレゼンをして自分の企画を通していく。本を切り刻んだりとか、一見して通すことが難しそうな企画でも通していくプレゼンの仕方というか、突破力について知りたいすね~。どうやって、ねじ伏せてきたのか?みたいな(笑)。
内沼:なるほど。ちょっとうれしい話です(笑)。なるほど、なるほど。それなら書けるかもしれないですね。
武部:今まで提出したプレゼンの資料とかをスキャンして・・・とか? でも、他にそういう本ありそうですよね。
内沼:ありますね。僕は自分のプレゼン資料を出したりしたことはないですけど。
武部:内沼さん以外にも、そういうプレゼンのやり方を世にまだ出してない人を集めて「逆襲のプレゼン」みたいな本を出すとか?(笑)。
内沼:いいですね (笑)。でもプレゼンって、何かしらの公式のようなコツがあるわけじゃないと思うんですけどね。結局「敵を知れ」の一言に尽きる気がする。もちろん自分がやりたいことを提案するわけですが、同時にそれが相手の問題解決になったり、メリットがあったりしないと通るわけがないですよね。そうすると、相手にとっていま何が問題なのか、どういうメリットがあったら通りやすいのか、を知るしか突破口はないんです。もちろんプレゼンシートの作り方にはそれぞれ技術があるでしょうし、「こういう会社はきっとこうだな」って判断して「最初のうちはこのくらいの小出しでいこう」というような小さな戦術もあるでしょうけど、そういう本は他にもあるしね。恋愛とか就職活動とか、全部基本的には同じですよね。「相手の気持ちになって考えよう」と書いたら、あとは言うことがなくなってしまう (笑)。
武部:内沼さんのプロフィールを見る限りでは会社をすぐやめちゃっていたりして、そういうプレゼンの仕方とかって誰かに教えてもらっていることじゃないと思うんですよね。そして、全てのプレゼンが通ってきたわけでもないだろうし。そのあたりの失敗例も、成功例もひっくるめて紹介してもらえたら、一冊の本になりそうですよね。
内沼:ただ、僕はさっきからプレゼンプレゼンって言っているけれど、実際はあまりゼロベースからスタートする仕事は少ないんですよね。「○○で本をつかって、何かをやりたい!」って話が、相手の側からきていることの方が多い。だから自分から攻撃を仕掛けるというよりは合気道っぽいところがあって、いかに相手に響くように返すかというところが腕の見せ所です。だからプレゼンの「突破力」的なことは書けないですね~。けれど、仕事論の本を書こうとするなら方向性はこっちだなっていうのは、少しだけ見えてきた気はします(笑)。
<みんなも本屋になろう>
内沼:この本の表紙には「本の未来は、明るい。」と書かれていますが、ぼくが一番この本を通して伝えたかったことは「みんなも本屋になろう」ということなんです。ここでの“本屋”というのは少し意味を広く考えていて、例えばブログで本を紹介している人とか、地元で読み聞かせのボランティアをしている人とか、すごく本屋だと思うんですよね。その人たちが本を勧めたり、読んで聞かせたりすることによって、実際に本が売れていくわけだから。 「本は売れない」とか「出版業界は崩壊する」とか「電子書籍の時代になる」とか、業界ではネガティブな言葉がここ10年ほどずっと言われてきています。けれど、実はそこで言われている「本」や「出版」の定義は人によってまちまちで、大抵の場合は狭すぎると僕は考えています。ぼんやり「本屋になりたい」と考えたものの、ハードルが高すぎて諦めかけている人に、「こういうやり方もあるんだな」と考えてもらうための本にしたつもりです。「新刊書店を経営する」という意味での“本屋”というのは大変だけれど、広義での“本屋”というものを考えるとむしろ盛り上がっていて、これから先も無くなってしまうようなものじゃないよ、と。それを伝えるために『本の逆襲』を書いたんですけど、読んでみてどうですかね(笑)?
黒田:最近でも「本屋は死なない」など出版業界に関する本は何冊か出ていたと思うんですけど、あくまでも業界内の人を鼓舞するような内容のものが多いですよね。今回の内沼さんの本は、本の仕事に関わっていなくても何かのきっかけやヒントになることがたくさん書いてあって、拡がりやすいっていうか、面白いなって。
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“紙がいいとかデジタルがいいとか、ネット書店がいいとかではなく、電子書籍も、ネット書店も、大型書店も、街の小さな書店も全部、気分や目的によって使い分けられることこそ、最も豊かな未来であるということです。全部、なくなってほしくない”
これは内沼さんの著書『本の逆襲』で目に留まった一節。
その豊かな未来を追及する中で最も危機的状況に瀕しているのが「街の小さな書店」である。今でも名古屋の古い商店街には多いのではなかろうか、どうやって経営を成り立たせているのか今一つ理解できない“街の小さな書店”。
個人的には、本を買うときは、選択肢を重視することが多々あるので大型書店に行くことが多い。極論を言えば、“街の小さな書店”が自分たちの街から無くなっても困りはしないのかもしれない。
しかし、ある日その書店の前を通ると店舗に「テナント募集」の表示があったとすれば何とも言えない寂寥感に包まれるのである。その小さな書店を利用するか否かに関係なく、ただそこに書店が“ある”というだけでその街自体が成立するような感覚が地域の住民たちの意識の中に存在するようにも思える。
現実問題、“街の小さな書店”は非力なのは事実だ。
しかし、なぜそれが問題とされるかと言えば、それら書店は、
文化を認識するうえで欠かせない、大切な存在だから。
これを次世代においても無くさないために、
これからの新刊書店として成り立っていくモデルとして世間に提示するために、
内沼さんはB&Bを立ち上げた。
大きな流れの中でそれに抗う姿勢というよりも、流れに身を任せながら自分の理想を守っていく“ゆるやかな反骨精神”を著書の中でもトークイベントの中でもひしひしと感じることができた。また、それこそがまさに内沼さんが様々な障壁を突破していく為の原動力になっているのかもしれない。
内沼晋太郎/
ブック・コーディネイター/クリエイティブ・ディレクター。1980年生まれ。numabooks代表。一橋大学商学部商学科卒(ブランド論)。大学卒業後、某外資系国際見本市主催会社に入社し、2ヶ月で退社。その後、東京・千駄木「往来堂書店」のスタッフとして勤務する傍ら、2003年に本と人との出会いを提供するブックユニット「ブックピックオーケストラ」の設立。2006年末まで代表を務める。のちに自身のレーベルとして「numabooks」を設立し、現在に至る。ブック・コーディネイターとして、異業種の書籍売り場やライブラリーのプロデュース、書店・取次・出版社のコンサルティング、電子書籍関連のプロデュースをはじめ、本にまつわるあらゆるプロジェクトの企画やディレクションを行う。2012年、東京・下北沢にビールが飲めて毎日イベントを開催する本屋「B&B」を博報堂ケトルと協業で開業する。その他に、読書用品のブランド「BIBLIOPHILIC」プロデューサー(「red dot award communication design 2012」を受賞)、これからの執筆・編集・出版に携わる人のサイト「DOTPLACE」編集長なども務める。著書に「本の逆襲」(朝日出版社)、「本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本」(朝日新聞出版)がある。
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