Text by Tomoya Miura
少し夜は冷えるな〜と思いながらも昼は半袖Tシャツで充分なくらいの天候に恵まれた10月12、13日。普段はスポーツ観戦もしない僕が、電車を乗り継いでトヨタスタジアムへ向かったその目的は、音楽フェス「トヨタロックフェスティバル」(通称トヨロック)。
街興しも大きなテーマとなっている、このイベントは入場無料にも関わらず、音楽ライブだけでなく、フェスならではのゆるい雰囲気の出店や、フードにドリンク、オートバイのショー、キッズ向けの参加型アトラクション、そしてキャンプまで楽しめ、フィナーレには打ち上げ花火も。
いまや、地元民だけでなく、県外からも多くのお客さんが詰めかける東海エリアを代表するビッグフェスの1つである。
…といっても、メインコンテンツとなるLIVEの出演者ラインナップは、(いい意味で)土臭いローカルアクトや、ワールドミュージック系のアーティストがほとんど。さらに、サブステージにあたるEASTLANDでは、ヒップホップやハードコアパンクといったちょっと尖ったサウンドや、レベルミュージックなんかも響き渡る。
「トヨタ」といえば、もちろん、あの自動車メーカー。日本を代表し、世界にその名を轟かせる”TOYOTA”である。もし、そのトヨタが興しているイベントだとすれば、「いや〜トヨタはすごいな〜。さすが、器がデカい!」なんていう感心よりも、ちょっと雑多過ぎる(!?)アティテュードに驚いてしまうのではないだろうか。
さて、その実情はいかに?
ということで、その辺りの話も気になるのですが、トヨロックに関わり続けている、カメラマンであり、前述したEASTLAND(サブステージ)のブッキングスタッフも務める、三浦知也君に文章をお願いしてみました。
三浦君の写真/作品はコチラでも見れます→ http://d.hatena.ne.jp/miuracamera/
企画会議から参加し、前日の準備、そして、当日も大忙しで会場を駆け回っていた、三浦君。そんな彼だからこそな、トヨロックに対する思い入れたっぷりな文章を写真とともにどうぞ。
Text : Tomoya Miura
Photo : Tomoya Miura , Yosuke Torii , Takeshi Yao , Popcorn Love Records
Edit : Takatoshi Takebe(THISIS(NOT)MAGAZINE / LIVERARY)
トヨタロックフェスティバルは、世界のTOYOTAのお膝元、豊田市のトヨタスタジアムで行われている無料の音楽祭です。
今年7回目を迎え大盛況でイベントを終えました。
今年からFMX AIRJACKという新しいコンテンツも生まれ、バイクが空をビュンビュン飛んで、音楽ファン以外にも大勢のお客さんを集め大盛況でした。
音楽ステージでは豊田が世界に誇るTURTLE ISLANDとモンゴルのHANGGAI、スペインのLA PEGATINAが一緒にセッションして大円団!
別のステージでは田我流さんがステージ上に上がってきたお客さん達に胴上げされる!なんて事もありました。(この流れはライブ序盤に、お客さんがDr.DreのTシャツを田我流さんに着せたところから始まった!これホント笑ったw)
今やこういった中規模の音楽の地方フェスはどこにでもあるけど、トヨロックはちょっと他とは様子が違うみたいです。
そもそもトヨロックは無料のイベントなので、いろんなお客さんがいます。ベビーカーひいた子供連れの家族からモヒカンのパンクスまでホントいろんなお客さんが遊びに来てくれます。特に子供はびっくりするくらい沢山会場を走り回ってて、今年ウチの甥っ子姪っ子も遊びにきましたがテンション上がりまくりで大変だったそうですw(ちなみに甥っ子はYOK.ちゃんのジプシーって曲のMVに出演しております!)
なので老若男女みんなが楽しめるようにいろんなコンテンツがあって、音楽ステージすぐ横の芝生エリアでは、フリーマーケットや大道芸、でっかいフワフワ(中に入れてぴょんぴょん跳ねて遊べるヤツ)があったり、トトロっぽい形の落書きコーナーもあります。音楽ファン以外の大人も楽しめるようにいろんなワークショップ等も開かれています。
みんな思い思いに遊んだりお酒飲んだりしてて、ホント羨ましい!!客として行きたい!w
さてさて、トヨロックはもちろん音楽祭なのでステージも色々あります。
メインステージ含め全部で5ステージあるんですが、各ステージはそれぞれ担当してる人が違います。
メインステージではTURTLE ISLANDのマネージャーさんが、
One Love Stageでは家具屋のヒロキ君が、
GREEN FIELDはヒグーさん(←すげーカッコいいクラシックカーを扱っているお店をやってます!)
東側のEAST LANDでは僕が、
という風にそれぞれが割と自由にステージを構成しています。
HPを見てもらうと分かると思うんですけど、出演者の系統がステージごとに違うのはそういう訳です。
もちろん全体を統括しているMR.トヨロックことリーダーの矢澤さんも意見はしてくれますが、
『いろいろあった方が面白いし、その雑多な感じがトヨロックのいいところだと思うんだよね』
と基本自由にやらせてくれています。優しい男です。
僕がEAST LAND担当なのでコチラの話をすると、
今年は地元からNICE VIEW 、オブリガード、MILK。その他に田我流、KAKATO、LEF!!!CREW!!!が出演してくれました。やっぱり愛知のフェスなので地元のアーティストにはたくさん出てもらいたいし、身近にいるカッコいい人達のライブは見たいので出演をお願いしました。過去にもclimb the mind、ROTARY BEGINNERS、the act we act、小鳥美術館、EATMICなどが出演してくれました。去年はボンゴメン×鎮座ドープネスという特別なセッション(イベント前日に決まった!)も見れました。
地元のアーティストも少し関わっているイベントではなくて、
地元のアーティストが軸にあって、かつ他のアーティストも見られる
っていうのが地方でイベントをやる上で大事な事だと思っているので、そのあたりのバランスを気をつけながらステージを構成してます。
あと、毎年メインステージに出演しているTURTLE ISLANDがやっぱり豊田でイベントをやる上で欠かせない存在です。
タートルの場合、トヨロックのコンセプトというか、その活動自体がそうなのかも知れないけど、バンド主催で『橋の下世界音楽祭(同じく豊田で行われている無料のイベント。まだ行った事がない人は是非!ぶっとびます)』を開催するなど、活動は全国規模(たまに世界規模!)だけど、地元に根付いて地元の仲間と一緒に活動しています。
おととし出演してくれたMU-STAR GROUPの上山君がタートルのライブを見て「地元の英雄感半端なかった!」って言ってて、ホント理想的だなぁと。今年の日本とモンゴルとスペインの3バンドの大円団が見れたのもタートルが豊田にいて、そういう活動をしているから生まれたものだと思うし。
そういう地元+α感っていうのがトヨロックをやる上で大事な事かなと思います。
もちろんそれが成り立つのは、地元に最高に良いアーティストや面白い人が沢山いるからっていうが大前提ですけど、愛知にはその土壌が完全にありますからね!!
あとちょっと裏話的な事をいわせてもらえば、
トヨロックって地元の大企業等がすごい予算くれて、潤沢な資金があってやってるんでしょ?って思われがちなんですけど、全然そんな事なくて。もちろん豊田市の主催みたいな感じなので、多少予算は頂いてるんですけど、少ないスタッフで知恵を絞って何とかやりくりしているのが現状です。駐車場収入やお酒の販売、おととしから始まったキャンプサイトも新しいコンテンツを追加していく事で予算の足しにしようって。もちろんキャンプできたらいいよね!が大前提ですけどね。
なので地元に良いアーティストが沢山いて、しかもすごく協力してくれているので、金銭的な面でも助かっています。
少しお金の話をしたので、この場を借りてひとこと言わせて頂くと、
イベントを続ける為にも路上駐車とお酒の持ち込みの禁止は必ず守って欲しいです。路上駐車に至っては近隣の住民にも迷惑かかるし、それを予防する人手もかかってしまうで、お客さんにはそのあたりご理解いただければと思います。
あと、トヨロックを手伝っても良いかなって人は是非ボランティアをお願いします。
さっきも書いたみたいにホント少ないスタッフで運営してて、みんな本業に支障が出るくらいの感じで作業してますので少しでもいいから手伝ってもらえると助かります!
最後にトヨロックは無料のイベントなので、基本お客さんに来てもらうっていうハードルは他と比べたら低いかもしれないど、その分来てもらったからには音楽ファンもそれ以外の人にも楽しんでもらえるよう、みんなでアレコレ考えながらやってます。
一般的に超有名なアーティストとか出演する訳ではないので、出演者知らないしな〜とか思う方もいると思いますけど、いろんな遊び方もあるし、居心地はホントすごく良いイベントだと思うので、是非一度遊びにきてもらえればなと思います!
来年も10月あたりに開催予定なので、ご予定合えば是非遊びに来てくださーい!!
よろしくお願いします!
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