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カメラボーイ・ハマダの教えて先輩!
vol.2 横山将基(TAB)

INTERVIEW & PHOTO by KOSUKE HAMADA

こんにちは。三重県在住の濱田紘輔です。僕は今、仕事をしながら旅をして写真を撮っているのですが、ゆくゆくは写真家、カメラマンとして生きていきたいと思っています。そのためのヒントを見つけるために、名古屋周辺の写真にまつわる仕事をしている人々を訪ね、写真を撮らせてもらいながら、話を伺うことにしました。先輩たちの背中を追っかけて、一人前の写真家になるために―。

今回は岐阜県大垣市の建築設計事務所『TAB』に所属し、デザイナーをしながら写真家活動をしている横山将基さんに、仕事と写真を両立するヒントと、様々な人達と関わりながら活動をするためのきっかけの作り方を聞いてみました。


 

―はじめに横山さんの取り組んでいる活動について教えてください。

本業はデザイナーで建築設計事務所のTABに所属しています。そこでは住宅、オフィスやお店といった建築設計を取り組んでいて、それに付属する棚やカウンター、スツールを商品として自分達のショップやイベントで販売したりしています。

―建築・インテリアデザインだけではなくDIY的な活動もしているみたいですね。TABとは別に登山用のプロダクツも作っていると伺いました。その活動についても聞かせてください。

O・W・L(登山用プロダクトブランド)は、趣味の山登りでこうゆう道具があったほうがいいとか、こんなものがあったら便利だねって仲間と話していて、それで自分達で作ってみようということで始めました。

―自分達で作ろうって発想がすごいですね。その考えはどうやって生まれるんですか?

建築の仕事でもこの大垣という地方都市だといろんなことを自分でやらないといけない状況があるんですね。東京みたいに様々な職種の人がたくさんいるわけじゃないから、できないってなったらそこでプロジェクトがよりよくなる可能性が止まってしまう。だからそういう状況に対応するためにいろんな仕事を引き受けていったら自然と自分のモチベーションが変化していったんだと思います。写真もそのひとつで、自分で撮らないといけない状況だったのが写真を始めたきっかけでもあります。

 

 

―なるほど。その後は仕事とは別に作品を撮り始めたと思いますが、その経緯は何ですか?

試行錯誤して建築写真をどうやって撮るのかを、実際に自分たちがデザインした建築やインテリアで撮影し、試行錯誤して、ある程度は撮れるようになったんだけど、そうするともっと写真そのものに興味が湧いてきて、いろいろ勉強し始めました。それでポートレートを撮ってみたり、街のスナップを撮ってみたり、山登って撮ってみたり。今まで気にしていなかったようなものに注意するようになって、例えばオブジェかたちとか色とか。そうするとそれが建築やインテリアデザインにも生きてきたり、自分がいろんなものをデザインする時のアイディアになったり幅が広がるんですよね。さらには、撮ってた写真を見てくれた人から、撮影の仕事をいただくことも増えてきて。ただ作品は作品として成立するものを作りたいとも思っていて、今も新しいシリーズを制作しています。

 


<横山将基 「newcitys」 より>

 

―写真の活動を建築の仕事にも繋げているんですね。写真と本業の建築が繋がった話を具体的に聞かせてもらえますか?

自分はネット上で写真作品を発表しているんですけど、この前、岡崎のセレクトショップ「Eins&Zwei」さんと合同で展示をすることがあって、ショップオーナーが自分の写真を見てくれていて、写真も展示してみてもいいですねって提案してくれました。その展示の雰囲気に合うように写真をセレクトして楽しかったですよ。売れなかったけど(笑)それと、O・W・Lも商品写真を自分達で撮っているから、それを見てくれたアウトドアブランドのカタログのデザインをしている方からカタログ撮影の依頼が来たりしました。

―写真と横山さんが取り組んでいる活動がすごく密接にあるんですね。

仕事と写真活動を切り分けている人は多いと思うけど、自分は横並びみたいな状況だと思います。建築、登山用プロダクツ、イベント企画、写真、どの分野も行き来できる状態にあると思います。そのほうが良いと思っていて、ひとつのことを取り組んでいたら必ず他の分野にも影響を及ぼしてくれるから。

 

 

―僕の場合は普段の仕事と写真が切り離れているので羨ましいです。土日休みで自分の作品を作る分には割と時間はありますが、今日みたいな取材をお願いしたり、これから撮影を頼まれた時にスケジュールが合わない可能性が高い気がします。積極的に売り込めないというか。。。

クライアントワークは、たぶん自分が撮った写真を見てくれた誰かがいてオファーすると思います。僕の場合だとSNSで上げていた写真を前から見てくれた人が声を掛けてくれました。濱田くんの今のスタイルだったら、自分が撮りたい写真を撮りまくるべきじゃないかな。例えば、今進めているアメリカシリーズを10シリーズぐらい作るとか。それをやると、展示もできるし、zineも見てもらえてファンができる。それから撮ってくださいってオファーが来ると思いますけど。

―自分の作家性を尊重されたオファーが来たら夢のような話ですね。

作家のやりたいように撮ってくださいって言われたら理想だよね。結局、行動しないと何も生まれないから、いろんなところで自分の作品を見てもらえるように考えないとだね。その結果、きっかけが生まれるのかな。

―横山さんの行動力は本当にすごいと思います。

動くことに意味があるよね。行かないとわからないというのはある。それと、誘われたことに関しては基本的にオープンにしていたら、いろんな人に出会えました。

 

 

―最後に聞かせてほしいのですが、いろんな人と繋がるコツは何ですか?

やっぱり心をオープンにすることじゃないかな。濱田くんの場合もアメリカに行った時とか旅をすると確実にオープンにしていかないといけないよね?日本だとすれ違っても挨拶しないけど、向こうの人達はするもんね。自分の場合は日本でも外国人と接するようなマインドでいるから。初対面だとヒゲとか生えて怖そうに見えるみたいだけど、案外話すと話しやすいというのは言われたことはある。それと人の話を聞いて深掘りをよくしているかな。興味ある人には積極的に質問するしね。そこから会話が生まれて仲良くなれて新しいことが生まれたりしていると思います。

―日本人同士だと何か遠慮みたいなものを感じます。それは自分のマインドの問題かもしれませんね。横山さんには行動して自分をアップデートしていく感覚があるように見えます。タメになるお話しをたくさん聞かせて頂きありがとうございました!

 

 

横山将基 MASAKI YOKOYAMA
1986年生まれ。愛知県出身

岐阜県大垣市を拠点とする建築設計事務所TABに所属。名古屋モード学園非常勤講師。デザイナーのかたわら写真家活動、アウトドアブランドO・W・Lのプロダクを制作したり、様々なイベント企画を催している。
https://www.instagram.com/masakiyokoyama

TAB
住宅、オフィスやショップを設計する建築設計事務所。建築にまつわる棚やカウンター、スツールも商品として販売しています。
http://www.tabjapan.com

O・W・L
山登りにまつわるアウトドアギアを販売しています。
http://www.lostagain.club

濱田紘輔 KOSUKE HAMADA
1990年生まれ。三重県出身。
カメラマンを目指し、日々奮闘中。最近はアメリカを題材とした作品を製作している。
www.kosukehamada.com

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