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WHAT ABOUT YOU? #8 / ookamigocco

Interview by YOSHITAKA KURODA(ON READING)

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東山公園のbookshop&gallery ON READINGでは、定期的に様々なアーティスト、クリエイターが展示を開催しています。 このコーナーでは、そんな彼らをインタビュー。搬入中のざっくばらんな会話をお楽しみください。

今回は”身につけられるぬいぐるみ”をコンセプトに、様々な動物のえりまき様の作品「巻ぐるみ」をはじめ、立体・半立体の壁面作品の制作、インスタレーションなどジャンルにとらわれない幅広い表現活動を行うookamigocco(オオカミゴッコ)さんにお話を伺いました。


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_巻きぐるみはいつ頃から制作されているのですか?

最初は本当に自分のためだけに作って身に着けていて、友達からオーダーもらって制作したりしていました。私はもともと、学校でコンテンポラリーアートの勉強をして、シナリオではなくて詩をもとに、映像を作るという活動をしていたんですが、ある時ドイツで映像作家の人たちと話していた時に、やっぱり映像では食べれないから、何かもうひとつあったほうがいいんじゃないかという話になったんです。「たとえば、その首に巻いてるやつ売ったら?」と言われて(笑)そんな時に、以前から交流のあったミロコマチコさんが絵本作家になることになって、「オオカミがとぶひ」の原画展をするときに、会場に飾る大きいオオカミを作ってほしいと言われて。それがookamigoccoとして初めて表舞台に立った作品です。そこから、個展をやらせていただいたりお店に置かせていただいたりして、段々ookamigoccoとしての活動の比重が大きくなってきました。

_そうなんですね!DMの写真も映画のワンシーンのようだったり、タグに言葉が添えられていたり、見せ方が素敵だなと思っていましたが、納得です。映像を作りたいと思ったのは、どういったきっかけだったんですか。

姉が2人いて、さまざまなミュージシャンのPVを毎日10本以上何度も何度も繰り返して見ていたことが映像に興味を持ったきっかけです。特にマイケルジャクソンのPVが、小さい頃から大好きでした。ムーンウォーカーは映画ですが、数百回くらい見てるかも。自分でも初めて作った映像作品は、姉のバンドのPVでした。

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_ookamigoccoという名前は、元々使われていたんですか?

ookamigoccoという名前は、学生時代に友達とデザインとかいろいろやれる会社を作りたいね、と考えた名前です。その後いろいろあってその話はなくなったんですけど、私は気に入っていて、何かに活かしたいな~と思っていたので、ミロコさんにお声掛けいただいた時に、本名で映像とか詩の活動をしているので、それとは別になるようにと、思いだしてこの名前をつけました。ちなみに、オオカミゴッコの意味は、ひとりあそび、おとなのあそびという意味で名付けた造語です。

_最初に自分用に作られたのは何の動物なんですか?

猫です。こういうふわふわしたものって子ども用のものはあるんですけど、大人用のものは本物のファーになってしまうんですよね。それもちょっと嫌だなっていう想いもあって。私はその間を作れないかな、と思って。好きでも、大人になってぬいぐるみを持ち歩くことは難しいので、自然な形でぬいぐるみと一緒にいられるように、と考えています。

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_さっきから(身に着けているキツネを)愛おしそうに撫でてらっしゃいますもんね。愛情が伝わってきます(笑) 作品を作る際は、型紙もなしで、一気に布を切っていくんですよね。

そうです。ひとつずつにぐっと集中して。二度と同じものを作れないので、逆にぬいぐるみ作家の方とかきちんと型紙を作って制作される方たちは凄いな~と思います。普段もドローイングとして動物を描くんですけど、描くよりも作った方が特徴を捉えられる気がします。ちなみに使用している生地も、地方では東京にはない見たことのない生地が売っていて面白いんですよ。大阪ではトラ柄が充実していました(笑)

_そんなとこにも土地柄が出るんですね(笑) 好きな動物はなんですか?

作るのが好きなのは鹿とキツネですね。動物として好きなのはトラです。顔の模様とかなかなか表現できないんですけど面白くて。図鑑をみたり、動物園に観にいったりもしてます。

_ペットは飼ったりしてたんでしょうか?

実家では、犬二匹、猫、ハムスター、モルモット、十姉妹、オカメインコ、文鳥、メダカとか…家じゅう動物がいました。巻きぐるみは一人暮らし始めてから作り始めたんで、もしかしたら寂しさから来ているのかもしれないですね。

 _同じイヌ科でも、キツネやオオカミが多くて、犬はあまり見ないですよね。

本当ですね!そう言われてみたら野性の動物が多いです。本当は仲良くなりたいんだけどなれないから惹かれるのかもしれません。

 _創作するにあたって、影響を受けた人やものはありますか?

henrik vibskovや、マーク・ボスウィック、ミランダ・ジュライが好きです。さまざまな表現をする詩的な人生そのものに憧れがあるのかもしれません。

また、友人たちの作品、特にライブペインティングを見て、自分もこんな風に作りたいと思うことも多いです。自由な線に憧れて立体も、かたちにとらわれずにのびのびつくりたいという気持ちがあります。

手芸の作家だと、Lauri Faggioniが好きです。彼女の作品は、ぬいぐるみがぬいぐるみのままなのに、やっぱり生きているみたいな瞬間があるんです。本物みたい!ではなくて、人が交わって生きるかんじです。人の手に渡ること、人の手によって編集されること(映像作品なら)人が見ること、記憶にのこることがとても素敵に関係している気がして!糸や線のひとつひとつに、息づかいを感じます。私の作る巻ぐるみも、人間がいなければ成立しないです。本物みたいな動物ではなく、ぬいぐるみがぬいぐるみとして、でもべつの命を人間が与えられるような作品が作れたらいいなと思います。

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_映像作品と、ぬいぐるみ作品の制作をする上で、つながっているなと思うことはありますか?

そうですね、私はいろんな映像作家のひとが、自分たちの手でセットをつくったり、ひとこまひとこまカメラをまわしたりして制作している姿が大好きで、私自身も、8ミリで映像を撮っていたのは、自分の手の届く表現にしたかったからだとおもいます。あくまで手作りでいたかったというか。ちょっといびつというか…。縫い物の作品も映像とおなじく、ひとつひとつの瞬間の断片、コラージュでできていると思います。やっぱり線が完璧じゃない。でも、映像は結局編集など機械作業が多くて、自分の手でつくっている感じがしないのですが。

 _今後、映像作品に、巻ぐるみが登場したりはしないんですか?他にもやってみたいことがあったら教えてください。

ゆくゆくは、したいなと思ってます。いつか、全部つながるかしらと思っていて。あとは、詩と立体作品で写真絵本とか作りたいなと。巻ぐるみでは絶滅した動物のシリーズとか、架空の生き物シリーズもやってみたいです。

絶滅動物シリーズいいですね!最後に、名古屋のお客さんにメッセージをお願いします。

ときによって表情が変わってみえたり、何か言いたげだったり、気になる子がいたら是非いろいろと巻いてみてください。巻いてはじめて完成する作品なんです。

イベント情報

2015年12月2日(水)~12月14日(月)
ookamigocco solo exhibition 『My goldie』
会場:ON READING 名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日
www.onreading.jp

ookamigocco(オオカミゴッコ)
2004年より“身につけられるぬいぐるみ”として熊・キツネ・うさぎ・鹿・オオカミ・猫など動物のえりまき様の作品「巻ぐるみ」の制作をはじめる。 2013年9月、ookamigocco名義で初個展を行う。立体・半立体の壁面作品の制作、インスタレーションなどジャンルにとらわれない幅広い表現を 行い、グループ展や各地のアートイベントへの参加、セレクトショップでの販売を中心に活動。
http://ookamigocco.com

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