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糸りとり 第16回|藤田 道子

_shi_ri_to_ri_ by なるじあき

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しりとりと読みます。日頃、糸を使ったり使わなかったりするアーティストの方々に、「糸」を使った作品を制作してもらい、作品タイトルを「しりとり」でリレーしていくという、ゆるカッコEコーナーです。

 

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第16回目のゲスト作家は、藤田 道子さん。
ある日、fancomiさんから推薦したい人がいるとの連絡を貰いました。糸を使う作家さんだという。
HPを拝見すると、あれ?この作品、ネットで偶然見かけて素敵だなぁと思っていた方だ!わぁ繋がった!
という訳で、藤田さんと嬉しい出会いができました。

 

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「う」➡『海』

 

 

 

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果てしない

 

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青い光は、海水に透過し海中で錯乱する

 

 

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光と影で遊ぶ

放射状に広がる影と光が、万華鏡のよう

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糸で覆う

規則的に張り渡された糸の、淡々とした表情が美しい

 

 

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藤田 道子さんインタビュー。

 

なるじ:
とてもシンプルなタイトルですが、「海」にしたのはどうしてですか?

藤田:
最近、水に関する作品を作っていたので、「う」から始まると聞いて、では海にしようと。

なるじ:
決め方もシンプルですね!作品同様、清々しいです。 藤田さんならではな、美しく繊細な絹糸作品ですが、今回のポイントは?

藤田:
海は青く見えますが、海水をすくうと無色透明ですよね?これには「太陽光の七色の中で、青い光だけが海 水に透過して、海中で錯乱するから青く見える」という説があるんです。その現象を、透明の円柱の表面を青い糸で覆うことで、表現してみました。あと、影の表情もポイントです。

なるじ:
糸を使った作品を多く発表していますが、きっかけは何ですか?

藤田:
子どもの頃から絵を描く事と手芸が好きで、糸は身近な存在でした。
糸の美しさを、自分の表現に取り入れられないかなといつも考えてて、10年位前に何気なくミシン糸を木 のキューブに巻きつけたら、面白い表情が生まれたんです。そこから作り続けてます。

なるじ:
そんな糸の魅力とは?

藤田:
糸自体、繊維を撚って作られていて、その糸を織ることで布が生まれます。人間の知恵の素晴らしさが詰ま ってて、美しい存在だなと。
あと、凄く長い所。それがきれいに収められている所も好きですね。

なるじ:
ほんと、糸そのものが美しいですよね〜
藤田さんの作品は、シャープな糸のラインに優しく明るい色使い、というのも特徴的だと思うのですが。

藤田:
フラットで重さを感じさせない存在を意識していて、糸を規則的に張り渡すことで、淡々とした表情を生み 出します。明るい色の糸は、光を受けると角度によって消えて見えたり、一層軽やかになるんです。

なるじ:
今回の作品もそうですが、影や鏡の映り込みを含めた作品や、色の重なりなど、幼少期の日常に見つけ た、キラキラを愛でる感覚がこみ上げてくるのですが、当時の影響あったりしますか?

藤田:
とても影響していると思います。
小学生の頃、校庭の砂に混じっていた、小さなガラスのような透明な粒が、キラキラ光るのを眺めるのがと ても好きでした。

なるじ:
あ、それわかります!小さい頃って、日常にきれいなものを見つけるの上手でしたよね。
他に影響されたもの何かありますか?

藤田:
サルタン王物語(作・プーシキン 絵・ゾートフ)という絵本です。小さい頃夢中になりました。

なるじ:
どういう所が夢中になる理由だったと思いますか?その時の気持ちとか。

藤田:
ゾートフのペンで描かれた繊細な線画と、明るく透明感のある色彩。
今までには無い美しさに、とても高揚したのを憶えています。今でもたまに開いて観るんですが、私の色彩感覚は、この絵本にかなり影響受けてる気がしてます。

なるじ:
好きな色は何ですか?作品と洋服も、その色が多かったりしますか?

藤田:
ずっと変わらず好きなのは、ライトトーンの黄緑とピンク、ビビットなターコイズブルーです。
洋服はモノトーンが多いんですが、作品は好きな色というより、その時気になっている色を意識してますね。

なるじ:
藤田さんの展示が、名古屋で観られる日を心待ちにしています!

藤田:
機会があれば、是非やってみたいです!

 

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次回は「み」 
松井 一平さんへ、バトンタ〜ッチ!!!

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これまでの糸りとり
第1回「あ」➡『赤い輪っか』成地 亜紀(2013.11.05 UP)
第2回「か」➡『風立ちぬ』遠山 敦(2013.12.01 UP)
第3回「ぬ」➡『ヌクアロファ』TMTM/Tomoe Miyazaki(2013.12.28 UP)

第4回「あ」➡『あたらしい家』松尾ミユキ(2014.2.2 UP)
第5回「え」➡『えびでたいをつる』田口美早紀(2014.3.4 UP)
第6回「る」➡『ルウェンゾリの山男』wassa(2014.4.7 UP)
第7回「こ」➡『コイル』都筑晶絵(2014.4.29 UP)
第8回「る」➡『留守の部屋』Nobue Miyazaki(2014.6.5 UP)
第9回「や」➡『やみよやまねこやすみの国』鈴木 いづみ(2014.7.5 UP)
第10回「に」➡『二期作』塩川 いづみ(2014.8.3 UP)
第11回「く」➡『鯨のランプ』nakaban(2014.9.6 UP)
第12回「ぷ」➡『プレイバック』山口 洋佑(2014.10.3 UP)
第13回「く」➡『空中分解』狩野 岳朗(2014.11.4 UP)
第14回「い」➡『意図的な神の意思』村橋 貴博(2014.12.4 UP)
第15回「し」➡『short short show』fancomi(2015.2.3 UP)

 

<PROFILE>

hand and bubble

藤田 道子
1980年生まれ 身近な自然現象や光、身体から受ける感覚をテーマに、 糸や木を用いた立体作品やシルクスクリーンの平面作品、写真、映像など 様々な手法で作品を制作。それらをひとつの空間に点在させるインスタレーションで 発表を続けている。

 

<お知らせ>
HP  http://www.michiko-fujita.com
を要チェック!

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企画/
ディレクション:成地 亜紀
題字:遠山 敦
写真:三浦知也(special thanks) http://miuracamera.com/

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